デジタル時代の到来と共に昨今の書籍及び定期刊行物(雑誌、ムック類)の中には、 内容を補足したり、必要なデータベースをCD-ROM等で添付するケースが急速に増加の 傾向にある。一方受け入れる公共図書館としても貸し出しの際、書籍に添付されたCD- ROM等の取り扱いに戸惑いを見せているのが現状である。つまり貸し出した際、返却の とき、CD-ROMが紛失していたり、あるいは違法複製コピーの疑念をもたれたり、また 館内で使用するにしても図書館側に十分なハード機器が備え付けられていなかったり などが、その理由としてあげられる。 そこで今般、日本電子出版協会著作権委員会は、日本図書館協会、日本書籍出版協会 のご協力を得て、CD-ROM付き書籍を製作出版する出版社側と受け入れる公共図書館側を 対象に当面懸念される問題点について、アンケート調査を実施することにした。 出版社側は日本電子出版協会に加盟している出版社42社および日本書籍出版協会 加盟社のうちからCD-ROM付き書籍を出版する可能性のあると思われる出版社約80社に アンケート用紙を送付した。また公共図書館には、県立市立図書館は各県2館、町立 図書館は各県1館を無作為抽出で選出し、あとは人口比からみて首都圏及び近畿圏から 若干補足して計151館に同様にアンケート用紙を送付し、調査を依頼した。 調査開始から一ヶ月の期日を経て集計を締切ったが、回答率は上記のような結果で あった。これは夏季休暇等が入ったためとも考えられるが、公共図書館側に較べて、 出版社側の無回答社の多くは、まだCD-ROM付き書籍を出版しておらず、回答する資料 等がないなどがその理由と思われる。 今回の調査は出版社・公共図書館に別々の設問を出したので、それぞれについて結果 を分析してみることにする。
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