2024年9月25日 新たなアクセシビリティー支援フリーサイトChattyLibraryの紹介

2024.09.25

~テキストやPDFを自分でDAISY化、理数系文書もOK~

NPOサイエンス・アクセシビリティ・ネットでは視覚障害や発達障害による読み書きに困難がある人たちを支援するためのソフトウェア開発を行っている。数式を含む文書も通常の文書と同等の精度で認識するOCRと自動読み上げの技術があり、また読みを確認しながらAudio Bookをワープロ感覚で編集するソフトウェアも開発している。児童書から理工系の専門書まで含めたアクセシブルな電子図書製作を行っている。
今回は、日本財団の支援を受けて開設したフリーサイトChattyLibraryを紹介する。テキストやPDFなどをユーザーが自分でEPUB, DAISY等のアクセシブル電子図書に変換(DAISY化)して読む機能や、自動変換結果を修正・編集する機能などがある。コンセプトは「自分でデイジー化できる、自分達でデイジー化出来る」である。Chatty Libraryのビュアーとしては、ChattyBooksを使用し紹介する。
1990年代、視覚障害者にとってアクセシビリティ環境は大きく改善した。ITの利活用によって「自分で読める」ようになった。しかし、ディスレクシアの人たちには未だそれが実現していない。ChattyLibraryがそれを可能にする一助になればと願っている。
ChattyLibraryのサイト:https://chattylib.com
ChattyBooksのサイト:https://www.sciaccess.net/jp/ChattyBooks/
関連するソフトウェアのサイト:https://sciaccess.net

講演資料 https://sciaccess.net/presentations/2024_09_25/2024_09_25_JEPA_suzuki_presentation.pdf
講演映像 https://www.youtube.com/live/aPSdQoaM2c0

■講師: 鈴木昌和 先生
NPOサイエンス・アクセシビリティ・ネット 代表理事

■略歴:
鈴木昌和(九州大学名誉教授)数学者、九州大学数理学研究院で全盲の学生の指導教授となったことがきっかけで視覚障害者支援技術の研究をスタート、数式を含む印刷文書やPDFを認識するOCRソフトInftyReaderを開発し実用化。2005年理数系分野の視覚障害者支援を目的としたNPO法人サイエンス・アクセシビリティ・ネットを設立。2010年頃より発達障害による読み困難者(ディスレクシア)の支援に力を注ぐようになった。2010年から10年間支援技術に関する国際会議ICCHPの常任組織委員をつとめた。

■開催概要
日時:2024年9月25日(水) 16時~17時半
料金:どなたでも無料
会場:オンライン Youtube Live(定員ナシ)またはZoom(100名)
主催:日本電子出版協会(JEPA)