■講演映像 https://www.youtube.com/watch?v=EG-_DrP4gN8
1年前のこの場では、ChatGPTの驚異的な能力とその原理、様々なハルシネーションとその回避法など使いこなし策をご紹介しました:
https://www.youtube.com/watch?v=-gUMiuoFCUE
その後、GPT-4Vが出現し、GeminiやClaude等の強力なライバルも登場して賢さ、人間的な自然な応対など、生成AIの進化はますます加速しています。応用面でも、メタデータ社のChatBridなど、ローカル知識、専門知識を生成AIに回答させるRAG (Retrieval Augmented Generation) や、その小型パーソナル版のGPTsが登場して急速に広がり、既存業務や趣味方面の知識探索などを生成AIが確実に支えるようになっています。
ナレッジマネジメントを踏まえて適切にRAGを導入すれば、回答の平均精度やわかりやすさが人間を超えるようになりました。結果として、知識提供者側の人間も、知識受領者側の人間も、旧来の、分かりにくいマニュアルとの格闘など、非生産的で不毛な作業から解放され、幸福な知的生活が送れるようになりつつあります。
過去人類のベストプラクティスを大量に学習した生成AIは、幅広い創造性、美的判断基準さえも発揮できるようになってきました。本講演では、ショートストーリーの生成や、画像生成の印象的な具体例を示して、これらを納得いただきます。もっとも、2024年初頭、芥川賞受賞作品『東京都同情塔』が徹底的にChatGPTを駆使して作られたことで、生成AIが少なくとも人間の創造を助けることを疑う人はいなくなったことででしょう。
生成AIは極めて優秀な部下として使いこなせます。目的意識など持ち合わせていませんのが、適切なプロンプトで対話すれば創造性も発揮し、深堀りもしてくれます。絵心もそのスキルも無い人でも言葉の指示を膨らませて素敵なイラストをすぐに描いてくれます。アイディアを広げるのは本来上司が得意だったはずですが、基本コンセプトをブレークダウンして網羅するなど生成AIの独壇場ともいえます。優秀な部下をもった上司は幸福ですね(笑)。
「現状、人間はこの技術を制御しきれない」
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1583354.html
という声も出ましたが、今後あらゆる専門分野で、人類の福祉に役立つ研究開発が生成AIにより加速していくことでしょう。
https://www.docswell.com/s/KanHatakeyama/K7VX1D-2024-04-09-093026
では、管理職、上司としての人間が失業しないためにはどうしたら良いでしょうか? 講演でいくつかのポイントをお話したいと思います。
■講師 野村 直之 氏 メタデータ(株)代表取締役社長
東京大学大学院医学系研究科次世代病理学講座研究員
法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科・元客員教授
理学博士。1984年、東京大学工学部卒業後、九州大学で理学博士号取得。NEC C&C研究所、米マサチューセッツ工科大学(MIT)人工知能研究所客員研究員、ジャストシステム、リコー勤務をへて、2005年、メタデータ設立。著書に『人工知能が変える仕事の未来』『実践フェーズに突入 最強のAI 活用術』、『AIに勝つ!』、共著に『WordNet』 (MIT Press 1998) がある。
■開催概要
日時:2023年5月13日(月) 16時~17時半
料金:どなたでも無料
会場:オンライン Youtube Live(定員ナシ)またはZoom(100名)
主催:日本電子出版協会(JEPA)