この日に開催するJEPA第35回通常総会を記念する講演です。
iPadが発売された2010年から十年が過ぎ、日本の電子書籍市場はマンガを中心に一定の定着を見せるようになったが、雑誌や書籍の中心的な部分はいまだ紙の出版流通に大きく依存している。
しかし、長く続いた「近代出版流通システム」はいまや崩壊の瀬戸際にあり、デジタルとネットワークの技術が次世代の出版流通システムの役割を演じることが期待されている。
近年の出版界では大量生産・大量消費を必ずしも前提としない「一人出版社」と呼ばれる版元や、従来の流通システムに依存しない独立系書店も増えており、noteやcakesといった課金型ブログと出版の連携も増えている。
そうしたなかで、これから出版とデジタルはどのような関係をもつことが望ましいのか。出版界とデジタル技術の動向の双方をながらく見続けてきた「マガジン航」編集発行人に、その十年の経験を踏まえて話をうかがいました。
日時:2020年2月20日(木)18:00~
会場:日本教育会館9階 平安の間
講師:仲俣 暁生 氏
編集者、文筆家。「マガジン航」編集発行人。日本文藝家協会評議員、NPO法人HON.jp理事。著書『再起動せよと雑誌はいう』『ポスト・ムラカミの日本文学』『極西文学論』『失われた娯楽を求めて』ほか。
【参加費】 無料