ニューヨーク在住で海外出版動向を配信されている大原ケイさんをお招きし、欧米出版社の電子出版の最新の動きをご紹介しました。⇒配布資料「JEPA向けシノプシス」
■講師:大原ケイ 氏
日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わり、2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。
著作に『ルポ電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
■概要:
第一部:米国の電子出版この10数年の流れ
日本では2010年を電子書籍元年とした流れで語られることが多いですが、アメリカにおけるEブックの登場とそれに対する出版社の対応を時系列的に振り返ります。グーグル・ブックス、キンドル、Kobo、Nookでアメリカの書籍出版業界はどのように変わったのでしょうか? Eリーダーやスマホの普及で読書スタイルはどうなったのでしょうか?
・グーグルのライブラリープロジェクトからアップルの談合問題まで訴訟で解決するアメリカ式Eブック問題
・アメリカにおけるEブック普及の実態が数字で見えにくい理由
・B&Nの苦戦とインディペンデント書店のカムバックというコントラスト
・システムにおける日米の大きな違い(シーズン、刊行日までの長さ、雑誌ときっちり分かれている流通など)
・イングラムとテイラー&ベーカーという2大取次は統合されたらどうなる?
・ネット時代のアメリカのデモグラフィックと読書傾向の移り変わり
第二部:2018年の出来事の振り返り
フォーマットではハードカバー、ジャンルではノンフィクションが好調で、紙の本が盛り返したとされる2018年。実際のところはどうでしょう? 本を読まない大統領について書かれた本がよく読まれるという皮肉な構造の裏で、2018年はどんな年だったの言えるのでしょうか?
・ハードカバーが好調だったと言われるが、これは紙への回帰なのか?
・オーディオブックがブームと言われるが、その実態は?
・ミリオンセラー不在でフィクション不調と言われるが?
・アメリカで文学賞はどのような位置付けなのか?
◇開催概要
日時:2019年1月24日(木) 15:00-17:30(14:30受付開始)
料金:JEPA会員社:無料、非会員社:3000円
会場:麹町/紀尾井町:株式会社パピレス 4階セミナールーム
主催:日本電子出版協会(JEPA)