コロナ禍に考えた

2020.07.01

新潮社  柴田 静也

 東京に緊急事態宣言が出され、弊社も原則在宅勤務となり、今までの働き方、ビジネスを考えた。

 学校が一斉休校となり、自宅にいる時間が増えたことにより、YouTubeの視聴時間が大幅に増えた。しかし、広告主が減ったため提供側の収入は減少。ユーザーのニーズが高まっているのに、コンテンツホルダー側には恩恵がなく、むしろ減っているとは、ビジネスモデルとして、なんだかなぁと思った。

 国の自粛要請により、各種公共機関が閉まった。図書館も例外ではなかった。自粛期間中、市井の書店さんが潤った。学習ドリルやコミックなど売上増加。
 果たして、図書館の閉館との因果関係はあるやなしや。どこかの学者さん、きちんと考察してくれないかしら。もちろん図書館の意義に異議を唱えているつもりは、ございません。

 外出自粛つき、御多分にもれず、サブスク三昧。アニメ『鬼滅の刃』を二周。
 社会現象とまで呼ばれた大ヒットだが、吾峠先生のオリジナルはもちろん、アニメも大変すばらしい。しかし、話題になったときに後追いで、見られたサブスクリプション動画配信サービスが、ここまでのブームになった一つの要因ではないだろうか。動画のサブスクは、想像以上に普及しているし、今後もこの流れは止まらないだろう。時間に縛られず、録画予約のひと手間さえいらないサブスクはかなり強い。

 またサブスク契約者は、コンテンツに対価を払うことは、当然と考えているだろう。コンテンツホルダーは無理に地上波にこだわらず、メディア化が加速していくのだろう。しかし、光あれば、闇あり。音楽、動画、書籍とサブスクが進めば、ユーザーの「早期離脱」が気になる。イントロを数秒聴いただけ、スキップされ、次の曲へと移る。動画でも、書籍でも同様に最初の数分、数頁で判断されかねない。コンテンツ作り方が、変わるのか。伏線が張り巡らされ、後半で見事に回収なんていうミステリー大好物だけどな~。

 現金に触りたくない。政府も還元キャンペーンをはり、普及に躍起なキャシュレスサービスだが、いくつもサービスが乱立し、ユーザーの混乱は避けられまい。事実、先駆者であるOrigami Payは、赤字のままただ同然に、メルペイに吸収された。PayPayの巨額な還元も、血を吐きながらするマラソンのようで、見ていて痛ましい。クレジットカードを除けば、日本にはSuicaとPASMOという二大交通系キャシュレスサービスが君臨する。この便利な牙城はなかなか崩せまい。

 こんなこと、だらだらと考えた。