今年5月に「デジタルドキュメント推進室」を新設し、インプレスR&D:井芹昌信社長、マイクロコンテンツ:鈴木道典社長(元有斐閣)、想隆社:山本幸太郎社長などと一緒に、出版物の電子化を以下の3プロジェクトで推進しています。
編集・校正し少部数出版を行うサービスです。デジタル出版なので絶版がなく、改訂も自由に行えます。ISBNが付いた正規の出版物です。EPUBとPODによる紙の本を作ります。
インプレスR&Dの「NextPublishing」を使っていますが、Word入稿ではなくマークダウンからEPUBとPDFを作っています。50冊、100冊単位での並製+カバーの書籍は低価格でご提供できます。
出版社から裁断可能な書籍・雑誌と表紙画像をいただき「権利処理、電子化、販売」の一切を代行し、売上の20%をお支払いします。5年間の期間限定でイーストで販売し、印税支払計算も代行します。販売はMaruzen eBook Library、メディアドゥ経由のAmazonなど法人から個人まで複数のチャネルがあります。
下図のように、テキストPDFからマークダウン形式の構造化テキストを取り出し、それをEPUBに変換するという全く新しい制作手法でのEPUB制作サービスです。「体験的ライツビジネス奮戦記」 の岩波書店様にご支援いただき開発しました。詳細はJEPAセミナーでのイースト・高瀬のプレゼン資料をご覧ください。
高瀬のプレゼン資料に「おでんの大根と大根おろし」の逸話がありますが、出版社は「素の大根」を持っておくと何かと重宝です。文字が主体の一般書の場合、大根=マークダウンです。
1999年、JEPAで「インターネット時代に出版社はコンテンツをどのような形式で保持すべきか?」という議論があり、それに応えるかたちで「JepaX」というXML仕様を策定しました。XMLなので見出し、本文などの文書構造が記述でき、汎用性も高いのですが、これをテキスト・エディタで編集するのは厄介です。
EPUBpackの中間生成物であるマークダウン形式のテキストは
# 大見出し
### 小見出し
![代替テキスト](画像.jpg)
本文中に[リンク](URL)、そしてルビは{電子出版|でんししゅっぱん} などなど
簡易な半角文字で構造があらわせるので、編集者や著者でも扱えそうです。万能のXMLほどではありませんが、文字が主体の出版物は、マークダウンからEPUBに変換したり、シンプルな構造の版下を作ったりと活用できます。編集部での改訂作業も効率アップ。詳細は「でんでんマークダウン」をご覧ください。
ソフトウェア会社の資産はソースプログラムですが、出版社の資産は紙の本ではなくマークダウン、すなわちデジタル化され構造化されたコンテンツで、それを社内サーバでしっかり管理することをお勧めします。図版はJPEGですが、表やグラフはExcelで保持すると更新が楽です。
雑誌や辞書はコンテンツ管理のデータベースに入れると編集、出稿、検索などが容易になります。
イーストでは、4プロジェクト目として、売価が変動する「電子書籍の売上・印税支払、著作権者管理クラウドサービス」も企画中です。書籍の電子化だけではなく、出版社のデジタルトランスフォーメンション全般のコンサルや業務支援も行っています。