2018年4月の漫画村事件。私が事態を認識したときには、すでにサイトブロックがなされ閲覧できなくなっていた。なので私自身は、サイトを見たことがない。そこで何人かの漫画村ユーザーに聞いてみると、こちらが想定していなかったコメントが返ってきた。
ある大学2年生のコメント「漫画村が違法とは知らなかった。見た目に怪しい感じがしなかったし、漫画家さんには何かしかの支払いがあるのかなと思っていました。」
昔と違って、最近はいろいろな無料使い放題サービスが合法的に提供されている。YouTubeで作曲者に断りなく楽曲を使用した動画を配信しても、権利者に収益が配分される仕組みがあるが、一般の人にはなかなかわからないことだと思う。あるとき私がBGM付きの動画を配信しようとしたら作曲者の許諾はGoogle側で完了しているので問題ない。音源となるレコード会社の許諾のみ必要(大体こんな内容だった)というメッセージが出てきた。またあるときは動画の一部分に楽曲の「映り込み」があるのでアップできないとなったこともある。
というように、一般の人には各サイトやサービスの権利処理がどうなっているのか、ホワイトなのかブラックなのかがわかりにくくなっているのは間違いない。
漫画村事件を背景に、電子書店関連の任意団体が、ホワイトサイトの「マル適」マークを制定する動きがあると聞いているが、偽サイトで使われない様に技術的にどうするのかなと思う部分もあるが、非常に有効な取り組みではないかと思う。
今、日本人はマナーがいいと思われている。池上彰さんによるとそれも1964年の東京オリンピックをきっかけにしてのことらしい。わたしの趣味の登山でも、今は山にゴミを捨てる人は誰もいないし、道を譲るなどのマナーはきちんとしている。これも昔はそうでもなかったのではないかと思う。(時折、1960年代頃の空き缶や缶詰の缶を見かけることがある)
学校でのネットマナー教育や業界での啓蒙活動、そして真の意味での「クールジャパン」政策で、違法サイトを利用することがとんでもなくかっこ悪いことになる時代が近いうちに来る可能性はある。そのためには、漫画家さんが尊敬され愛されている様に、電子書店も出版社もユーザーに守ってあげようと思うような愛されキャラになる必要があると思う。愛されキャラを傷つける行為は誰もしたくないのだから。