iPhoneアプリ10万本突破。で、出版社の進む道は?
2009.11.01
小学館 大家 正治
最近、iPhone&iPodtouchのアプリが10万本を超えたそうですが、そのうちの8割はまったく売れていないという情報もあります。
http://zen.seesaa.net/article/132111743.html
弊社でも、『モバイル大辞泉2009i』をはじめとしてさまざまなアプリを作ってみました。
http://iapp.shogakukan.co.jp/index.html
はじめは、『寿司ネタ図鑑』や『キノコ図鑑』のような、拡大写真とテキストが見られるだけの簡単なアプリを作ったのですが、どうも、iPhoneユーザーには不評だったようです。
初期のマニアックなユーザーたちは、出版物で見られるものと同じモノが単にiPhone上で見られるだけでは満足しないということがわかり、その後のアプリ(『英語即答トレーニング』や『日本の蝶』など)には、ゲーム感覚で遊べる付加価値をつけたり、音声や地図情報と連動させたり、ひと工夫、ふた工夫加えることにしました。
しかし、そうなると当然、開発費がかかります。どこまで開発すると、ユーザーが喜ぶのか。それで何本売れるのか。正解が無い中、手探りでトライしたのでありました。
さまざまな開発者とお会いして、アイデアをすり合わせていくうちに、iPhoneならではの機能というものが、だんだん見えてきて、楽しいアプリが次々と出来たのですが…
そのころになると、冒頭のようにアプリが山のように増えてきて、次の課題は、開発したアプリをどうやってプロモーションするのか、という問題でした。
たとえば使い方をビデオにとって、YouTubeに上げたり
http://www.youtube.com/watch?v=X6wfKyhqPJE&feature=player_embedded
IT関連のニュースサイトに積極的に流したりと、いろいろと試みましたが、まだまだ認知度が低いのが実情です。
ライバルの『大辞林』のように、iPhoneのテレビCMでがんがんやってくれるといいのですが、アップルジャパンにお願いしても「どれを取り上げるかは、本国が決めていることなので…」といわれてしまいます。うーむ、悔しい。
また、iPhoneアプリでは、価格を下げるセールというのがあたり前なのですが、これも、セール期間中はランキングが上がるのですが、セールをやめた途端に売れなくなります。
これも、いかがなものなのでしょう。
いやはや、8割がまったく売れていないというような超ロングテールな中で、アプリを売っていくというのは、なかなか大変なことだとわかりました。
そんな中、先日、モバイル表現研究所がPhoneBookというユニークな商品を開発しました。
http://www.mobileart.jp/phonebook.html
iPhoneと紙の絵本を融合させたモノですが、なかなか良く出来ています。
iPhoneやこれからますます出現するスマートフォンで、出版社の持つ優良コンテンツを売っていく、というのも大事なことですが、 出版社の持つ紙の強みと、iPhoneのようなデバイスの素晴らしさを合わせたら、こんな画期的な新商品が生まれるのですね。こんなことを考えることこそ、出版界が今後生き延びる道なのかも知れません。