翻訳者選定電子オーディションシステム
2000.02.01
日本電子出版 柴田 義一
生まれながらの無鉄砲さが災いし、子供の頃から損ばかりしてきた。
本業である翻訳業の省力化を図ろうと17年前にコンピュータ会社と共同で「電字林」 という英和辞書ソフトを世に問うた。ものめずらしさもあり当初はずいぶんと売れたが、 すぐに旧来の出版社が「減価償却した」紙の辞書を電子化して商戦に参入、資金回収 出来ぬうちに追いつき追い越された。
ならばと小型情報検索機に着目し、メーカーと共同開発でICカード電子本を作ったの が15年前。しかしICの値段がまだ高く時期尚早の結果に終わった。 この頃が電子出版の揺籃期。NHKでICカード本と一緒に取り上げられた電子出版物 は当会の設立メンバーである新学社のマルチメディア学習システムと日外アソシエーツ のデータベース検索システムであった。
電子出版で負った借金を返すのに10年かかった。このところ漸くゆとりが生まれてきた のだが、またぞろ頭をもたげて来たのがヴェンチャー精神ならぬ山っ気…。
これからはじめるTranNetは、国内で出版される翻訳書の訳者をオーディションによって 決定しようという、我が国ではじめての「翻訳者選定電子オーディションシステム」 です。国内の出版各社の賛同を得て、それらの会社が出版を予定している書籍を課題とし て提供してもらい、広く翻訳希望者を募ってもっとも適切な人を訳者として採用します。 オーディションはすべてインターネットを利用したオンラインで実施されます。課題の 提出も、応募も、成績発表も、すべて電子メールとウェブページを使っておこないます。 従って応募から発表まできわめて短期間のうちに行なわれます。
運営は入会金と1回毎の応募料によってまかなわれます。いい翻訳者を求める出版社と 実力ある翻訳志望者をマッチングさせるこのシステム、自分ではインターネットの最上 の利用法と悦に入っているのですが、はて採算にのるかどうか。
興味のあるかたは、柴田までtel 3266・9689ご連絡下さい。