JEPA委員会に入ろう!
第1回 ビジネス研究委員会の紹介インタビュー

JEPA委員会で一番活発と言われる
ビジネス研究委員会の活性化の秘密!

日本電子出版協会《JEPA》では、現在7つの委員会で電子出版に関わる活動を進めています。
皆さんに委員会のことをよりご理解いただきぜひ参加いただけるように、JEPA委員会の紹介企画の第一弾として委員会の中でも参加人数が多く活動の活発な『ビジネス研究委員会』を紹介させていただきます。なお、委員会へはJEPA会員社の方はどなたでも参加できます。

本日は、委員長の日立コンサルティング・岡山将也(おかやまのぶや)さん、副委員長の想隆社代表取締役・山本幸太郎(やまもとこうたろう)さんにお越しいただきましたので、ビジネス研究委員会について色々とお伺いしたいと思います。

名称:ビジネス研究委員会
委員長:岡山 将也(日立コンサルティング)
メンバー:15人
活動頻度:月1回(最近はZOOMミーティングが中心)
テーマ:電子出版の新しいビジネスの立ち上げのヒントとなるインキュベーション的な活動を行う。

ビジネス研究委員会 委員長と副委員長
左・岡山将也さん 右・山本幸太郎さん

誰もが本を読める世界を目指して

――まずビジネス委員会のメンバーや活動テーマ、活動頻度などを教えていただけますか。

岡山:委員長が私で、副委員長に山本さんともう二人おります。
活動頻度は月一回、夏休みや年末もオフ会的に集まり一緒にディスカッションもしています。

――最近活動されているテーマについて教えていただけますか?

岡山:視覚障がい者やディスレクシア(識字障害)で本の読めない方、色弱の方々と出会いなど「アクセシビリティ」を重点テーマとしています。これにより出版業界の売り上げに貢献できるのではないかと気付いたことが始まりです。
アクセシビリティの他には、最近は森林を守るためのGXや著作権絡みで何かビジネスが出来ないかとアンテナを張っています。

――成果のあった活動実績などあればぜひ教えていただきたいと思います。

岡山: 1つは今お話ししたアクセシビリティの話。2008年に1年間かけて色々なテーマで連続セミナーを4回くらいやりました。その後、これからはアクセシビリティが重要ではないかという声が少ないながらも出始めました。
また、まだ電子図書という言葉もあまり出てこなかった頃から委員会では電子図書館についてずっと議論していました。誰でも本が読めるような世界を作っていこうと思いました。JEPAの中でも電子図書館に反対の方や、アクセシビリティに懐疑的な方もいらっしゃいましたので、そういった方々にもご理解いただくためにビジ研から独立させようということで電子図書館委員会を作りました。
アクセシビリティと電子図書館の流れを作ってきたことが、成果だと思っています。

ビジ研インタビュー3
電子書籍が一般的ではない頃から読書におけるアクセシビリティについて取り組んできたビジ研

活気のヒミツはビジ研式『茶話会ゼミ』

――様々な方が参加されているビジネス研究委員会はどのような雰囲気なのか、どう委員会を開催されているのかもちょっと気になりますね。

岡山:茶話会ゼミといって、半分はセミナーをやって半分は議論するというゼミ方式の活動を行っています。茶話会ゼミは何かを紹介したら皆で議論して疑問があれば質問するような形なので、小さなセミナーですが有意義に会話ができます。
議論が白熱する時もありますが、茶話会に切り替えて良かったと思います。

――大学のゼミの様な形で、皆さんで勉強しながら色々と議論されているような感じでしょうか。

岡山:そうですね。有識者が多いので、例えばセミナーの講師も務めるデジタルタグボートの辻本英二さんが『今のアメリカの状況がこうだよ』とか、副委員長の山本さんが『アクセシビリティこんな風に動いているよ』などということもお話しいただいています。
出版社の方、著作権処理をされている方、システム会社の方など、そういった方が大勢いて議論しています。まだどの委員会にも入っていなければ、ぜひビジ研に入っていただくといいかなと思っています。

――茶話会や通常の委員会活動は対面であったり最近ではZOOMであったりと思いますが、どのような形で行われているのでしょうか。

岡山:ZOOMで良いと思っております。普段は来られない地方にいらっしゃる方も参加できるという点で裾野が広がりました。

「わかっていただけてますね!」と心を開いてくれました。

――全体の活動で真面目に色々とお話しいただきましたが、ちょっと面白いエピソードなど何かあればお話しいただけますか。

岡山: アクセシビリティに携わっていると色々な障がいをお持ちの方々に出会うことが多く、仕事でも「実は僕、色弱なんですよ」と向こうから語っていただけたりすることがあります。「こういうのは大変ですよね」と言ったら「わかっていただけてますね!」と心を開いていただき、「僕ずっと黙ってたんですけど、自分の色弱のこと」と言っていただきました。
こういう活動をしていると「JEPAというのは障がい者に対して理解のある団体だ」と、向こうから声をかけてくれるというところはすごく面白い。色々な意味で人間の出会いというものは増えたんじゃないかなと思います。

ビジ研インタビュー2

山本:ビジネス研究委員会は様々な分野の人が集まっています。出版社の方もいればIT会社、ベンダーの方もいらっしゃるわけですね。非常にJEPAを表している委員会だと思います。
風通しも良く、たくさんのアイディアが生まれてくるというのが良いところかなと思いますが、私が一番良いと思うのは人との出会いなんですね。
今ではちょっとしたアクセシビリティ専門家のような顔をしていますが、その間にあったたくさんの人との出会いは非常に良かったと思います。JEPAだけではなく様々な業界、場合によっては他団体の人とも交流できたことは非常に面白い、興味深いところだと考えています。

業種の壁を越えて──多様な人間が集うJEPA──

――ここまで委員会のお話を進めさせていただきましたが、どのような方が委員長・副委員長として参加されているのか、岡山さんと山本さんの現在のお仕事についてお聞きできればと思います。

岡山:日立製作所の時代にJEPAの理事になったのですが、先輩たちから委員長に推薦されて、ビジネス研究委員会の委員長に就任しました。それからアクセシビリティに手を出していきました。
最近は電子ジャーナルから研究データの品質保証をどうしていくのか、品質を守るためにはどうしたら良いのかといったような調査事業だったり、それに付随した他の団体の委員会や、別の協議会に参加しながら活動をしています。

山本:私は株式会社想隆社の代表取締役をしています。想隆社はソフトウェアとかシステムインテグレートをしているのですが、文教分野、いわゆる大学や研究施設を相手にしているシステム開発が多いです。アカデミアが多いので、電子書籍や資料のデジタル化・データベース化が強みです。
JEPAにはそういった方々がたくさんいらっしゃるので、例えば電子書籍の新しい企画や大学や高等研究機関においてどういうデジタルの流れが来ているかといった話を聞くことができ、非常に参考になっています。

ビジ研インタビュー4
今後AIは出版業界にも大きく関わってくると語る山本氏

――ありがとうございます。それではどういう経緯でJEPAに入られたのか、教えてください。

岡山:昔小学館にいらっしゃった方のお誘いで通産省(※当時)の『空から本が降ってくるプロジェクト(Book on Demand実証実験)』に参画をして、1999年に実際に参加をした際に元JEPA事務局長の三瓶徹さんにも出会って、「じゃあJEPAにおいでよ」ということになりました。
2002年から理事になってビジ研にも引きずり込まれて…って言ったら怒られますけど(笑)、2007年くらいに委員長になって、それからずっと委員長をやっています。

――委員長、長いですね。

岡山:長いのでそろそろ交代したいなと思っているんですね(笑)歴代の先輩たちから引き継いでいるので絶やすことはできず、今ビジ研を引っ張っているという状況です。

――ありがとうございます。では山本さんお願いします。

山本:私の会社は元々は電子書籍に関するシステム開発をしていました。電子書籍というのはたくさんの分野にまたがっています。
まず一つはIT分野ですね。システムのインテグレートができないといけない。それから商習慣として出版のことが分からなければいけない。
そしてもう一つが著作権に関する分野です。会社を起こす前はデジタルコンテンツ流通分野の法務をやっていたのでその分野は分かったんですが、ITも出版も著作権という法務のことも分かる、こういう人間が集まるってなかなかなかったんですね。
JEPAには色々な方がいて自分の分からないことも教えて貰えるし、協業でやりたいことも同じベクトルを持っている人たちと出会える。そういったところが入ったきっかけではないかと思うんですけど、記憶が曖昧なので(笑)

ビジ研が描く出版の未来図

――現在ビジネス研究委員会で注目しているテーマや、今後テーマとしていきたい、個人的に興味があり題材にしてみたいことなどはありますでしょうか。

岡山:NFTも含めた最近流行りのWeb3.0をどう使えるのかということと、電子書籍も紙の本も含めてDX化していくことで業務効率化を図るとか、出版業界として新しいインキュベーションができないかなと思っています。
世の中では、DX、DXと言っていますが、実は最初からDXができるわけではなく、ホップ、ステップ、ジャンプのように段階を追う必要があります。ジャンプがDXとなるため、最初のホップは『デジタイゼーション』、ステップが『デジタライゼーション』となり、最後に『デジタルトランスフォーメーション』になるんです。
世の中DXと言うとここばかりなんですが、ジャンプには凄いエネルギーを使うので大変なため、もう少し噛み砕いて、ビジ研でもいろんな議論をして何か新しいことができないかと思っているのと、最近は森林保護などGXのような話も含めて、出版が未来をきちんと文化も環境も含めて上手く回していけるというところに、ビジ研が寄与できたのではないかと思っています。

山本:やはり今注目しているのはChatGPTを筆頭にしたAIの分野ですね。この分野がどのように出版業界、電子出版に関わっていくのか非常に興味があるところです。一見すると出版と関係ないように見えますが、AIやDXというものはこれからどんどん出版業界に入ってきます。
例えばある語学教材を作っている会社は既にChatGPTを使って半分以上省力化しているんですね。文章を読み込ませて問題を作らせて、最後に人間がネイティブチェックをすると。そういったことも実際に始まっています。
あるいはイラストもこれまでプロに依頼していましたが、生成AIを使ってイラストを描くといったことが普通にできるような時代になってきました。
ですので、一見出版とは関係なさそうなことなんだけど、先ほどの岡山さんの話でいう、ジャンプ、リープフロッグのような飛躍を起こすようなところに非常に興味があります。

――今後議論をしていく上で、どういった方の参加を期待されていますか?

岡山:まだ出版社の方が少ないんですね。自分のことじゃないと考えられている様に思いますが、今まで作家や編集者のやっていた仕事に次第にChatGPTの様な生成AI系が入ってきます。
AIは人間をサポートするものですが、人間と置き換わることはないと思います。今まで1から10まで全部人がやっていたことを1から5までは機械がやって、残りのもっとクリエイティブなところを人間がやる……そういう点も含めて出版業界も変わっていかないといけないと思っていますので、できるだけ出版関係の方にもぜひビジ研に入っていただきたいです。
「IT分からないし…」ではなく、議論をすることにより逆に勉強になるかとも思います。ChatGPTは7月の茶話会テーマで、「出版業界が変わっていくんだ」というところを皆さんにお見せできるので、それをきっかけに「私も入りたい!」と言っていただけると楽しいかなと思います。

――このタイミングで入っていただいて議論に加わっていただくのが良いかなと思います。

山本:ビジ研には多くの様々な異業種の方が参加しています。
ですからたくさんのアイディアを出し合って新しいビジネスを作るという意味では、今世の中にない答えを見つける、あるいは課題を考えたい、そういう挑戦精神のある方に来ていただきたいと思います。
もちろん出版の方やITの方にも来ていただきたいですが、それ以外の「自分は関係しないんじゃないか」と思う人ほど、もしかすると我々の考えつかないアイディアを持っているのかなと思うので、たくさんのバックグラウンドの方に集まっていただきたいと考えています。

――ありがとうございます。

ビジネス研究委員会について色々とお伺いすることができました。
今後も活発に活動されていくと思いますので、ぜひ新しい方に入っていただきたいなと思います。
岡山さん、山本さん、ありがとうございました。

ビジ研委員長・副委員長談笑

JEPAへの入会・委員会への参加を検討されている方は、下記よりご連絡いただければ事務局よりご連絡を差し上げます。

お問合せフォーム:https://www.jepa.or.jp/contact
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インタビュアー JEPA広報員会・三田桂子(萩原印刷株式会社)
編集 JEPA広報員会・上田平結城(株式会社パピレス)
※この文章はインタビュー音声を元にChatGPTで文字起こしされています。
Glarity-Summary for Google/YouTube (ChatGPT)