World Font 研究委員会は、当時の前田完治会長の肝いりで1994 年に発足し、「世界の言葉でコミュニケーションできるデジタル環境の創造」というテーマで1999 年まで活動しました。1996 年からの3 年間は、その実現のために、毎年10 月に開催されるフランクフルト・ブックフェアの会場に、世界の様々なフォントや文字コード関連情報、IME(入力手段)情報などを入れたCD-ROM を日本から持ち込み、各国の出版関係者に配布しました。
World Font CD 1996/97 1996年10月配布 10,000枚 プラケース
World Font Sample CD ’98 1997年10月配布 5,000枚 紙ジャケット
World Font Sample CD ’99 1998年10月配布 10,000枚 紙ジャケット
当時、「世界の文字を16 ビットの同一空間に配置した」Unicode がIT 産業を主導するマイクロソフト、オラクル、アドビなどで採用されており、その時流に乗って、多くの無償フォントを入手したので、数千枚のCD をまたたく間に配布しました。欧米のWindows パソコンにインストールすると漢字が表示でき、ブラウザーで日本のサイトが見られるなど、当時としては画期的なCD でした。CD には以下のような無料コンテンツが入っていました。
● Unicode Font Set:CJK 20,902 文字の漢字アウトライン・フォント
● Internet Explorer 3.0 Multilanguage Support Pack(’99 はIE 4.0)
● Asia Surf 体験版:ブラウザーやメーラーを多言語化するツール
● Acrobat Reader:英語版と日本語版
● Dyna Doc:多言語ドキュメントビュアー
● 今昔文字鏡漢字フォント:80,000 文字のアウトライン・フォント
● XKP サンプル:日本で策定されたUnicode に外字を埋め込む仕組み
● EJ Translator 体験版:英文和訳ソフト
(下川和男)