『JEPA のあゆみ』刊行、おめでとうございます。
早いものですね、あれから20 年以上、世の中も変りました。感慨一入です。
電子出版協会がスタートした1986 年は私としても思い出深い年です。
JEPA 初代の会長、三修社の前田完治さんと初めてお会いしたのがこの年の5 月2日金曜日でした。大森の日外アソシエーツ社屋に、ぶらりとした感じで訪問があり、恐縮した覚えがあります。当時、私なりに日本に電子出版研究会のようなものがあったらいいなと思っており、人を介して前田さんに打診をしてくれるよう頼んでおりました。それで訪問されたのだとろうとは思いましたが、特にその話は出ずに、四方山話で別れました。その時、一緒に何か仕事をしようと思う時にはその人の仕事場を見ることにしているというような話をされて、それが印象に残っております。
その後、当時の手帳によれば、6 月3 日火曜日と27 日金曜日の夕方に電子出版準備会を開いています。7 月4 日金曜日には学士会館で電子出版研究会(仮称)を開いており、この時10 人位の人が集まったと記憶していますが、この席上で会の名称と初代会長が決定されました。日本電子出版協会(JEPA)の発足です。直ぐにプレスリリースを出したのだと思いますが、このあたりはあまり覚えておりません。
7 月9 日の日経産業新聞に〝電子出版協会が発足――高度情報社会対応に出版22社が一致団結――会長には前田完治三修社社長が就任〟と報じられました。このあたりの素早い動きは前田会長のお陰だと思っています。
その後、7 月10 日木曜日に帝国ホテルでJEPA の幹事会が開かれており(その後毎月1 回位集まっていた)、9 月1 日月曜日に学士会館で〝JEPA シンポジウム〟を18時より開催、9 月12 日金曜日17:30 ~ 20:30、JEPA 設立総会と手帳にはあります。
どうも、今振り返ってみても、これらのディテールがどのようだったかが、とんと思い出せません。この1986 年は私共、日外アソシエーツの20 周年にあたり、秋にはオンラインデータベースサービス「NICHIGAI ASSIST」の開始、CD-ROM(電子出版)の販売開始と、大変忙しい年で、20 周年記念出版やデモンストレーション、販促などで出張の多い年だったためと、私なりにはこじつけておりますが、当時のJEPA の活動の記録をキチンと残しておけばよかったと今更ながら反省しております。
この『JEPA のあゆみ』への寄稿を関戸会長、下川さん、三瓶さんから依頼された時には、前田さん、坂本さんもいらっしゃることだから、これはさぼっても大丈夫だなと思って、忘れてしまうことにしたのですが、そうもいかず、当時の手帳を繰ってみました。あまり、お役に立てないと思っていますが、少しでも参考になれば幸いです。
終りに、ますますの日本電子出版協会の発展と携わる各社の業務の隆盛を心からお祈りいたします。
◎大高利夫(おおたかとしお)JEPA 創設メンバーの一人。日外アソシエーツ