ブロックチェーンとは
ブロックチェーンはオープンな分散型台帳で、2つの当事者間の取引を効率的かつ検証可能で恒久的な方法で記録することができるのが特徴である。その特徴を活かし、暗号通貨など、個人間の価値取引の基盤として利用されている。
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オープンな分散型の特徴を活かした信頼
ブロックチェーンは、暗号通貨の一つ、ビットコインの公開取引台帳として開発された。ビットコインは、いわゆる中央集権型のモデル(特定の管理主体や中央サーバを必要とするもの)と異なり、取引を行う当事者間で二重取引問題を解決できる最初のデジタル通貨として注目を集めている。
具体的な仕組みを説明すると、ブロックチェーンは、ピアツーピアのネットワークによって管理され、一度記録されたブロック(暗号技術を利用してリンクされたレコード)のデータは、その後記録される後続のブロックすべてを書き換えない限り修正できないため、信用間取引などの目的で利用される。
また、このとき共有される取引ルールをスマートコントラクトと呼び、それを実現するプラットフォームの一つとしてはイーサリウム(Ethereum)が有名である。
著作権管理としてのブロックチェーン
改ざん不可能な取引台帳として認知・普及するブロックチェーンは、仮想通貨や暗号通貨だけではなく、さまざまな用途での活用が検討、進行している。
出版業界では、とくに著作物の権利、いわゆる著作権を管理するための仕組みとしてブロックチェーンに注目が集まっている。とくに電子出版物においては、デジタル・インターネットの特徴から、著作権者の権利を明示的かつ誰もが平等に認識するのが難しかったが、ブロックチェーンを活用することで、コンテンツ(IP)と著作権を紐づけ、ブロックチェーン上に乗せることで、そのコンテンツの権利者を一意のものとして定義し、権利の所在を明確にできる。
これにより、電子出版物では難しかったと言われる同一コンテンツの権利の受け渡し(紙版の出版物である古書の売買、シェアリングエコノミー構築)の実現、さらに、特定の範囲や機関での電子出版物の閲覧制限管理など、今までの電子出版ビジネスでは難しかったモデルが実現できると期待されている。
なお、ブロックチェーンは、ブロックの改ざんが不可という仕組みであり、電子出版物(コンテンツ)の改ざんや複製が不可ではない点に注意したい。