柔軟な権利制限とは
著作物の多様な利用に対応するための著作権法整備の考え方。ここでいう「権利制限」とは、著作権者の著作物に対する権利を制限するという意味を持っている。デジタル化が進んだことにより、新しい技術によって著作物を利用し製品やサービスの創造に活かすことができる可能性がある。そのために、産業界などから、技術進歩に対応した権利制限規定の整備が求められ、2018年の改正著作権法としてまとめられた。
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小説を人が読む、絵を人が鑑賞するというのは著作物のもともとの利用の仕方で、権利者の許諾を得て本などの形にすることになる。しかし、デジタル技術が発達した現在、小説や画像などの著作物のデータをコンピュータが利用するのなら著作権の侵害にならない、「柔軟な権利制限」という考え方の基本はそこにある。ここでは、具体例としてよく示されるものをあげてみる。
所在の検索サービス
検索サイトのようにインターネット上にある情報を検索し、その結果をスニペットやサムネイル表示するような場合。
情報解析サービス
人工知能(AI)開発のためのディープラーニング、あるいはコンピュータにより情報解析を行ってその結果を提供するようなサービスがあげられる。
※『デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定に関する
基本的な考え方』(文化庁、PDF)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h30_hokaisei/pdf/r1406693_17.pdf
[清水 隆 日本電子出版協会・事務局長 20220803]