GIGAスクール

2022.05.20

GIGAスクールとは

2019年から文部科学省が推進する、小学校、中学校の全児童生徒、約900万人にパソコンと高速大容量の通信ネットワークを提供する、世界に類を見ない事業。COVID-19により1年前倒しされ、2021年3月末には、全小中学校にネット環境とパソコンが整備された。2022年度からは高等学校向けもスタートした。(関連項目:学習eポータル
GIGAは、Global and Innovation Gateway for Allの略で「すべての児童生徒にグローバルで革新的な扉を」。

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3OS

マイクロソフトWindows、アップル iOS、グーグルChrome OSの3OSが指定されておりキーボードも必須。そのため、iPadにはキーボードを付けることになる。
学校への高速インターネット回線の設置は、体育館への避難など災害対策も含めて推進された。パソコンは1台45,000円の補助を国が行い、各自治体が上乗せして購入した。
文科省はパソコンの自宅への持ち帰りを推奨しているが、小中学校の管理は約1700市町村の教育委員会なので、完全には実現していない。

GIGAスクールサポーター

ネット回線が引かれ、1人1台のパソコンが整備されても、トラブル対応は必須。各学校に「保健室」があるのと同様、「ICT達人室」が必要で、この予算措置もサポーター制度として導入された。この制度は、2014年、佐賀の県立高校が1人1台を実施した際に取り入れたもので、毎年7000人の新入生へのパソコン提供が現在も続いている。

学習指導要領コード

クラウド上で教科書、教材、参考資料、映像、問題集などを連携させながら授業を行うので、「どの箇所」(例えば「電圧と電流」)を勉強しているか?が重要となる。文部科学省が1947年に策定し、ほぼ10年ごとに改訂している「学習指導要領」にIDをふる作業も進められている。

アダプティブ・ラーニング、アクティブ・ラーニング

教育ICT(教育のデジタル化)により、個々の生徒の進捗に合わせて学習内容や学習レベルを調整する「アダプティブ・ラーニング」や、生徒自らが能動的に学習する「アクティブ・ラーニング」が可能となる。
デジタルはアクセシビリティも向上するので、「誰一人取り残さない」、「個別最適化された学習環境の構築」が目標となっている。

デジタル教科書

ネット環境とパソコンが整備されると、次はコンテンツとなる。ノートアプリ、辞書アプリ、電子図書館など様々なサービスが多くの事業者から提供されているが、本命は教科書のデジタル化である。教科書は検定制度や国による買い上げと無償配布、見開きの凝った版面デザインなど、課題も多いが時間をかけて解決されつつある。

私見だが、小学校の一般的な机は45x65cmつまり31インチ、これを12インチのパソコン画面に押し込む必要はなく、パソコンの動的な双方向性と、紙の静的な良さを活かした学習方法を検討する必要がある。「教育は国家百年の大計」なので、試行を繰り返しながら、改善されていくと思われる。
国立情報学研究所の「eReader」のような、Webに合致した仕組みが必要と思われる。

・GIGAスクール構想の加速による学びの保障

出典:文部科学省資料より

[下川和男 イースト株式会社 20220520]