BOOK☆WALKER

2017.03.10

BOOK☆WALKERとは

 BOOK☆WALKER(ブックウォーカー)は、株式会社ブックウォーカーが運営する電子書籍ストアである。同社はKADOKAWAグループ傘下のデジタル戦略子会社で、2005年に設立された角川モバイルを前身とし、電子書籍等のコンテンツの制作、配信、販売に携わる。

 

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経緯と特徴

 2005年12月、角川グループホールディングス(当時)の子会社として、「角川モバイル」が設立された。同社は携帯電話向け電子書籍サイトを運営していたが、2009年10月、映像配信サイトであるムービーゲートと合併し、「角川コンテンツゲート」が発足。2010年12月、コンテンツ配信事業「BOOK☆WALKER」を立ち上げた。このあと、角川コンテンツゲートは2012年7月にブックウォーカーと社名を変更した。

 2010年の立ち上げ当初、BOOK☆WALKERは角川グループ傘下10社のコンテンツのみを配信し、同時に角川グループのコンテンツをほかの電子書店に提供しないという形で差別化を図っていた。しかし2011年にソフトバンククリエイティブと提携したことをきっかけに、グループ外の出版社のコンテンツも扱うようになり、また、角川グループのコンテンツも、ほかの電子書店に提供されるようになった。ただし、角川グループのコンテンツに関しては配信されるタイミングがほかのストアよりも早いので、その点では他店と差別化された状態を残している。これらの事情から、BOOK☆WALKERはライトノベルやコミックスのユーザーから特に評価を得ている。

 BOOK☆WALKERは、ほかの電子書店との本棚の共有を積極的に進めている。ドワンゴの運営する「ニコニコ静画」、アスキー・メディアワークスの「電撃文庫CLUB」、凸版印刷系の「BookLive!」、auの「ブックパス」、トーハン運営の「Digital e-hon」と本棚を連携させることが可能(2017年2月時点)。これらの電子書店で購入したKADOKAWAグループのコンテンツは、メディアファクトリーのものを除き、BOOK☆WALKERのビューアでも読むことができる。

 2016年12月、BOOK☆WALKERは月額500円の定額制電子雑誌読み放題サービス「マガジン☆WALKER」を開始。オープン時の配信雑誌数はマンガ誌や一般誌など20誌。先行するNTTドコモの雑誌読み放題サービス「dマガジン」が170誌を超えているため、これと比較すれば後れを取っているが、参加雑誌はその後も増えており、さらなるラインナップの拡充が期待される。

 

BOOK☆WALKERアプリ

 BOOK☆WALKERストアで購入したコンテンツは、BOOK☆WALKERビューアアプリで閲覧することができる。2010年10月のBOOK☆WALKER立ち上げと同時にiOS版を配信開始、2011年4月にAndroid版、同年12月にはPC(Windows、Mac)向けのサービスを開始した。1つのアカウントで最大7台の端末を登録して使用することができる。

 iOS版では、紀伊國屋書店の提供するアプリ「Kinoppy」などと同様にAppleIDでのアプリ内決済に対応しているため、Webストアで販売されているコンテンツとの間に価格差が生じる場合がある。アプリ内での決済を可能にするためには、Apple社に手数料を支払う必要があり、手数料分がコンテンツの価格に上乗せされているためである。

 

参考URL

BOOK☆WALKER https://bookwalker.jp/

 

 

[松本千晶 株式会社研究社 20170303]

 

[追記]
 サブスク(定額読み放題)サービスについて、2019年12月、文庫・小説の「角川文庫・ラノベ読み放題」を開始、2020年4月にはマンガや雑誌を対象にした、「マガジン☆WALKER」に代わる『BOOK☆WALKER マンガ・雑誌 読み放題』を開始した。

[神宮司信也 詩想舎 20220428]