著作権の制限とは
著作権の制限とは、本来著作者が持っている複製権などの権利がある条件で制限されることだ。著作権法で定められている条件に該当すれば、著作権者の許諾を得ることなく、著作物を利用することができる。該当する条件はかなり多いが、私的利用のための複製、図書館での利用、非営利目的の利用、引用などだ。ほかに教育目的、視覚・聴覚障害者のための利用、公的目的のための利用などがある。
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著作物の公共性に基づいて著作権が制限される条件が設定されている、著作物利用が可能な条件は多岐にわたっている。ここでは、その条件の一部を紹介する。
私的利用
個人や家族などの限られた範囲で利用するために著作物を複製することができる。テレビ放送の番組を家庭で録画して視聴することや、音楽CDを携帯プレイヤーに複製して聴くことが典型的な例にあたる。
本題とは離れるが、コンテンツの提供形態と利用方法には微妙な関係があるようだ。ある映画をDVDやブルーレイディスクで購入していて、以前放送されたものも録画してある。ところが、再び放送されるとつい見てしまうということは珍しくない。電子書籍と紙の書籍との間にはどのような関係があるのだろうか。
図書館での複製
法令で定められた図書館では、利用者に複製物を提供することができる。
国立国会図書館での利用
国立国会図書館では図書館での複製のほか、資料の状態を維持して保管し原本に代わって利用者に提供するために、電子的方法などで複製することができる。また、絶版などにより入手困難な資料を電子的に複製し、それを図書館などへ自動公衆送信することができる。インターネット資料を収集するために必要なインターネット上の著作物を記録することもできる。
引用
公表された著作物は引用して利用することができる。引用は「公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない(著作権法)」とあり、その定義は明確ではない。一般に引用する側の著作物の内容に、引用の必然性があることとされている。
学校における複製
学校の授業においては、授業で利用するために著作物を複製することができる。また、サテライト教室のように別の場所で同時に授業を受ける場合は、公衆送信することができる。
非営利目的の上演・演奏など
営利を目的としないで、観客から料金を取らず、出演者も無報酬である場合は、著作物の上演・演奏・上映・朗読などができる。
インターネット・サービスにおける利用
インターネット・オークションで出品物を紹介するために複製・自動公衆送信することができる。インターネットの情報検索サービスでは、サービスを提供するために必要な限度で、著作物を複製・自動公衆送信することができる。