Koboとは
Kobo(コボ)は、電子書籍に関する販売・サービスを行う企業である。カナダのトロントを本拠とする。2009年にカナダの大手書店チェーンIndigo Books & Musicの一部門として創立されたグローバル企業であったが、2012年1月に日本の楽天に買収されてその子会社となり、名称をRakuten Kobo Inc. に変更した。単にKoboと言う場合、同社が提供する電子書籍ストアやアプリなどのサービス、専用の電子書籍リーダーを指すことがある。
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日本での事業展開
2011年11月、楽天はKoboの買収を発表し、翌年1月に手続きを完了。名称をRakuten Kobo Inc. とした上で子会社とした。2012年7月には電子書籍リーダー「kobo Touch」を発売、同時に「楽天 kobo イーブックストア」でのコンテンツ配信を開始している。
Amazon Kindle(同年10月)に先行する本格的な電子書籍サービスの幕開けでもあり、国内市場の大きな期待を集めていたが、スタート直後からハードウェアおよびサービス面での不具合が次々と報告された。楽天が否定的なレビューを一方的に削除するといった対応もあり、結果的に多くの批判を受ける事態となった。
日本語コンテンツ数が当初発表の約3万冊に大きく及ばず、さらに青空文庫などから流用された無料書籍が過半を占めるといった品揃えについても多くの不満の声が上がった。その後もユーザーの感覚からすれば水増しに近い安易なコンテンツの増補が指摘され、その宣伝に優良誤認のおそれがあるとして消費者庁による親会社楽天への行政指導が行われるという事態に発展した。
オープン当初こそ以上のようなトラブルに見舞われたKoboであったが、今日ではその提供サービスは日本の電子書籍市場における牽引役のひとつとして確固たる地位を得ている。2012年は、7月のKoboに続き、10月にAmazon Kindleが参入したことによって、日本の実質的な電子書籍の普及に向けた飛躍の年となった。2014年9月、koboイーブックストアは楽天が運営するインターネット書店「楽天ブックス」との完全統合を果たし、紙と電子の総合的な書店として整備された。2015年4月には無料の自己出版サービス「楽天Koboライティングライフ」の正式な提供を開始。Kindleとの競合によるサービス拡充で、電子書籍業界全体の一層の躍進に貢献するものと期待されている。
端末
Koboの電子書籍リーダーのうち、日本で発売された端末について述べる。
主なE-ink端末は以下の通り。
- Kobo Touch:2012年7月発売。6インチディスプレイ、185g。内蔵ストレージは2GB。
- Kobo Mini:2012年12月発売。5インチディスプレイ、134gの軽量コンパクトモデル。発売日当日に、サービスの準備が整わないとして出荷が急遽延期され、2日遅れで発売された。
- Kobo Aura H2O:2015年2月発売。6.8インチのCarta E-inkディスプレイで、microSD/SDHCメモリカードスロットを搭載しているほか、防水機能を備える。
- Kobo Glo HD:2015年7月発売。6インチのCarta E-inkディスプレイで、180gの軽さを誇る。後読みアプリ「Pocket」と連携することにより、web上で保存したコンテンツを同期して閲覧することが可能。
- Kobo Aura ONE:2016年9月発売。従来のKobo端末に比べて大型となる7.8インチのディスプレイで、自動調光機能を搭載、色調と明るさを調整できる。重さ230g、内蔵ストレージ8GB。
Android OSを搭載したKoboのタブレットのうち、日本で発売された最初の端末は、2013年12月発売のKobo Arc 7HDである。7インチディスプレイ、重さ341g、ストレージは16GBと32GBのモデルが用意され、Google Playに対応している。このほか、10インチディスプレイ、627g、内蔵メモリを2GBに拡大した大型タブレットKobo Arc 10HDが発売されている。
楽天ブックス
電子書店として立ち上げられた「koboイーブックストア」は、前述の通り2014年には「楽天ブックス」と統合され、紙と電子の総合的な書店として整備された。2016年末時点で、電子書店としての楽天ブックスは、そのコンテンツ数の多さや全商品対象の割引クーポンを頻繁に配布する点などで、多くのユーザーからの人気を得ている。
2016年、楽天は、電子コミック専門のサービス「楽天マンガ」と、電子雑誌の定額読み放題サービス「楽天マガジン」を立ち上げているが、これらはKoboの提携する楽天ブックスとは別系統のサービスである。
楽天Koboアプリ
楽天ブックスで購入した電子書籍コンテンツを、PC、タブレット、スマホ、電子書籍リーダー間で同期し、読めるようにするアプリケーションが無料で用意されている。2012年からアプリの配信を開始し、その影響で2013年以降、電子書籍コンテンツの売上げを伸ばしている。
参考URL
楽天ブックス http://books.rakuten.co.jp/
楽天Koboライティングライフ http://books.rakuten.co.jp/e-book/rakutenkwl/