書誌情報とは
しょしじょうほうと読む。書籍や雑誌を特定するための情報のこと。書籍の注文や、電子書店での表示など書籍流通で使われる他に、図書館、論文などで書籍を同定するために使用される。
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歴史
どのように書籍を分類するかということは書誌学の領域として古くから研究されている。電子書籍の浸透、ネット販売の普及、電子図書館の構想など、近年急速に書誌情報の注目度と重要性が高まって来た。出版界では、2015年に施行された著作権法改正に伴い「出版権設定に関する情報まで含めた書誌情報の基盤整備」を表明し、出版情報登録センター(JPRO)がスタートした。
主な書誌情報フォーマット・団体
世界的には、国際図書館連盟が作成した国際標準書誌記述(ISBD)が図書館における国際的な標準記述法となっている。日本では、日本目録規則が制定されている。また、ISBD準拠の書誌情報をコンピュータなどで取り扱うための規格として、機械可読目録(MARC)がある。コンテンツ情報の規格から派生したONIX for bookがあり、出版社と書店の間で電子データの交換を推進するよう設計されている。後述のJPROでは、この規格を採用している。
日本の書籍流通の書誌情報は、一般社団法人日本出版インフラセンター(JPO)が運営する日本出版情報登録センター(JPRO)で一元的に集約され「出版書誌データベース:通称BOOKS」を運用されている。現在1000社以上の出版社が参加している。2022年5月現在、約278万件の書誌情報が登録されている。主な取次・リアル書店・電子書店などがこれを利用している。
電子書籍では、各電子書店・電子取次毎に異なるフォーマットで運用されているのが原状だが、2015年より株式会社出版デジタル機構(後にメディアドゥが買収)が開発した「共通書誌情報システム」が運用を開始しており、業界標準となることが期待されていたが、2019年8月にメディアドゥはシステムの運用を終了した。
現在は、JPROが株式会社モバイルブック・ジェーピーと協力して、電子書籍データの登録を推進している。
情報内容例(必須項目のみを記載)
近刊情報センター入力項目表
2013.2.4
- 01 ISBN
- 02 取引コード
- 03 発行元出版社
- 05 部署
- 06 担当者名
- 07 電話
- 10 Cコード
- 12 書名
- 13 書名読み
- 22 セット商品分売可否
- 23 著者名1
- 24 著者名1読み
- 25 著者名1区分
- 27 判型
- 30 本体価格
- 33 発売予定日
- 37 通貨単位
- 38 言語設定
- 39 再版
- 40 販売条件
- 42 成人指定
共通書誌情報 入力仕様 ver.1.0
2015.03.31
- 01 カテゴリID
- 17 巻名入り作品名
- 18 巻名入り作品名カナ
- 26 版元名
- 27 版元名カナ
- 28 著者名
- 29 著者名カナ
- 30 著者役割
- 32 解説(短)
- 33 解説(長)
- 37 価格
- 56 販売開始日
- 62 本体ファイル名
一般財団法人デジタル出版社連盟では、2015年2月に「電書協・デジコミ協 共通書誌情報 ver.2.0」を発表している。
[生駒大壱 株式会社旺文社 20161130]
[内容改訂 20220518]