KDPとは
Kindle Direct Publishing(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)とは、AmazonのKindleストアで本を出版し、販売するためのサービス。略してKDPという。セルフ・パブリッシングの代名詞的なサービスでもあり、Amazonにアカウントを持っているユーザーであれば誰でも利用することが可能。KDPで出版した電子書籍はKindle端末だけでなく、無償のKindleビューアーで読むことができる。
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2012年10月、Kindleストアの日本国内サービス開始と合わせてKDPがスタート。個人が手軽に一般書籍と並んで電子書籍の自費出版をすることが可能となった。
まもなく、藤井大洋氏が「Gene Mapper -core-」をKindleストアで出版して作家デビュー。7000部を売り上げ、Amazon.co.jpの「2012年Kindle本・年間ランキング小説・文芸部門」で1位を獲得して話題となった。電子書籍の作り方やKDPでの出版体験なども注目され、「セルフ・パブリッシングの電子書籍が売れる」という認知が広まった。
利用方法
KDPでの出版の仕組みは非常に簡単である。KDPにコンテンツを登録することで、Kindleストア内で本を配信・販売できる。EPUB、Word、HTML、Mobiなどの形式で作成されたコンテンツをアップロード可能。KDPでは著者向けにヘルプページを用意しており、表紙、目次、画像やテキストなど、制作全般に関する技術的な解説や注意点などの詳細、コンテンツ内容のガイドラインなど電子書籍のノウハウの他、電子書籍がどのように表示されるかを出版前に確認できる「Kindle Previewer」や「Kindle Comic Creator」といった電子書籍制作ツールも公開されており、誰でも利用することができる。
KDPヘルプセンター https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/GEZBMTMYGN9EBTLG
KDP ツールとリソース https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200735480
電子書籍の出版とプロモーション
出版された本はストア内ですぐに埋もれてしまうため、出版後のプロモーションが売れ行きを左右する。著者自身による販促が大事であり、セルフ・パブリッシングにおけるプロモーションは、作品の魅力を紹介する公式サイトやランディング・ページを制作し、ブログやSNSで宣伝してこれらのサイトに誘導する手法が一般的で、より多くの読者に情報を届けることが販売につながる。
KDPでは、Kindleストアに本の独占販売権を提供することで70%の販売ロイヤリティを得るKDPセレクトという仕組みが用意されている。Kindleストア以外の電子書籍ストアでも販売したい場合は、KDPセレクトは利用せずに35%のロイヤリティを選択する必要がある。
また、販促方法についての情報も以下に公開されているので、電子書籍の出版をはじめる際に一読しておくと良い。
電子書籍の販促方法 https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/GQSKV8L8EM6APYHN
関連サービス
KDPやセルフ・パブリッシングが話題になったことで、いろいろな関連サービスやノウハウを提供するサイトが立ち上がった。KDPをはじめとする主要な電子書籍ストアに対するコンテンツ登録手続きの手間を省略してくれる出版代行サービス、新刊・セール情報を提供してプロモーションを手助けしてくれるサイト、ランディング・ページの作り方を紹介するサイトなど、さまざまである。
また、コンテンツ制作面でも、表紙を作成するためのフリー素材の提供や、表紙や挿絵の制作代行サービス、電子書籍フォーマットへのコンテンツ変換サービスなどが提供され、有償無償を問わず、誰もが手軽に出版しやすい環境が整っている。
[柳 明生/イースト株式会社/20150914]
[内容改訂 20220501]