ここにも情報格差。学校の本の数。その差5倍。

日本電子出版協会(JEPA)の提言

全国どの小中学校でも使える
「学校デジタル図書館」
国主導でつくりましょう。

提言動画:つくろう!「みんなの学校デジタル図書館」

学校デジタル図書館とは?

About

  • 国がクラウド上に作る唯一の小中学校向けのデジタル図書館です。
  • 小中学校の生徒や先生向けに出版された多様なデジタル本や、紙の本は読めない子供のためにアクセシビリティに配慮したデジタル本、母国語が日本語ではない生徒が読む外国語のデジタル本も揃えます。
  • 学校からも、自宅からも、ネットがつながっていれば、学校の図書館なら閉まっている時間でも、どこからでもアクセスして読むことができます。
  • 離島や山村の小さな学校の生徒も、海外の生徒も、都会の大きな学校の生徒も公平に読むことができます。
  • デジタルだから教材、電子書籍、辞書、百科事典や地図、郷土資料、外国語の本を横断検索することができます。

背景

Background

  • 学校の図書数は、生徒数で決まっている。
    (学校図書館図書標準より)
  • 大きな学校の生徒は沢山本が読めて、小さな学校では読める冊数が少ない。
  • 約半数の学校がその基準にすら達していない。
今まで文部科学省は学校図書館図書標準を示して、各自治体の予算に上乗せした地方交付税措置により本の整備を進めてきましたが、その達成率が小学校で66%、中学校で55.9%にとどまっています。達成率も問題ですが、基準そのものが、18学級ある小学校の10,360冊に対し、1学級しかない小さな小学校は、2,400冊です。小さな学校の子供たちは、本が読めなくても我慢しなければならないのです。しかも、教科書はデジタルになったのに、参考にしたい参考資料が紙の本のままで良いのでしょうか。コロナ渦を機にGIGAスクール構想は加速され、1人1台の端末環境整備は達成されました。いまこそこの整備された環境を活かした新しいオンラインの学校図書館を作って、子ども達の不公平を解消しましょう。
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解決策

一人一台の電子端末が実現した今こそ、読み放題のデジタル図書館サービスを設置する。

学校デジタル図書館は全国に1つあれば済みます。各自治体の教育委員会まかせではなく、すなわち地方交付税措置ではなく、国が直接、出版社と電子書籍の提供について包括契約し、全国の小学校20,000校、中学校10,000校や家庭から同時アクセス無制限の読み放題が可能なクラウド型学校デジタル図書館サービスを提供し、利用料を全額、国の負担とすることで児童生徒にとって公平な義務教育用ベーシックインフラとすることができます。運営は中立的で安定した公共セクターであることが重要です。
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お知らせ

Information

Q&A

Questions and Answers

  • Q

    何故、電子図書館と呼ばないでデジタル図書館なのですか?

    A

    昔から電子図書館については研究され議論されてきました。その結果、電子図書館には多くの既存のイメージがあります。ここで一度立ち止まっていいただくために敢えて、デジタル図書館としました。蔵書購入型ではなく利用料型です。義務教育費として利用料を全額、国の負担としてもらうことでこどもたちにとって公平なサービスとしたいのです。

  • Q

    誰が図書館の費用を負担するのですか?

    A

    JEPAの提案は、基本的に一括して国の予算で対応いただきたいと考えています。運営は、なんらかの運営法人が必要になります。詳細は、具体化するなかで文部科学省など適切な組織にて検討いただきたく思います。

  • Q

    出版社や著者への支払いは?

    A

    従来は図書館が購入した分が出版社の売上となり、その一部が著者への印税支払いとなっていました。学校デジタル図書館では、蔵書購入型ではなく利用料型とし、出版社には全国の子どもからの閲覧に応じて国から利用料が支払われる方法がよいと考えています。著者には出版社より支払われます。

  • Q

    デジタル図書館で読める本を決めるのは誰ですか?

    A

    まず出版社がどの本をデジタル図書館に登録をするのかを決めます。運営団体のチェックを経た上で、データベースに登録され、各学校の先生や司書がその学校の生徒に読んで欲しい本を紹介するなど学校毎のポータルページを作ることができればよいと考えています。

  • Q

    読めるのは、小中学生だけですか?

    A

    小中学生だけでなく、保護者や先生方、もしかしたら復習したい高校生も読むかもしれません。海外の日本語学校の子供達だけでなく、日本のことを知りたい外国の子供達も読んでもらえればと思います。

  • Q

    なぜ日本電子出版協会(JEPA)が提言し、旗を振っているのですか?

    A

    JEPAは特定の業界に偏らないオープンな団体であり、35年前に出版社、メーカー、ソフトハウス、印刷会社、プラットフォーム会社などが集まって、常に10年後の世界を見据えた提言や技術仕様の標準化などを行ってきました。JEPAは目標に向けてチャレンジするDNAを持っているのです。

  • Q

    なぜ学校デジタル図書館を地方自治体ではなく文部科学省が作らなければならないのですか?

    A

    デジタルは1つあれば済む世界です。同じようなシステムを個々の自治体が作るのは無駄です。学校電子図書館が普及していない今だからこそ文部科学省が1つ作るのです。1つであれば、データ管理も混乱しません。
    地方の子供や収入の少ない家庭の子供、海外の日本人の子供、日本に住む母国(語)が日本(語)ではない子供、図書室を使えない夜間中学の子供、紙の本は読めない子供も含め、可能な限り公平に読める全国均一なインフラサービス、永続的なサービスのためには、民間でもなく、地方自治体でもなく、文部科学省が責任を持って作らなければなりません。

  • Q

    今までも、学校図書館の図書費用は、文部科学省が負担していたのでは?

    A

    文部科学省は「学校図書館図書整備等5か年計画」を策定しますが、お金は出しません。お金は、総務省が地方交付税措置により各自治体の予算に本の整備用として上乗せします。しかし、地方交付税措置は一般財源になってしまうので、本の整備に使って下さいとお願いしても、一部は公共事業等に回され、6割ほどしか教育に使われていないのです。1993年(平成5年)に「学校図書館図書標準」を制定し、それ以来、何度も「5か年計画」を策定してきましたが、未だに達成した学校は少ないのです。

  • Q

    小中学校向け無料デジタル図書館は、前例がありますか?

    A

    ・動画中心ですが、学校向けコンテンツ NHK for School があります。
    ・学研のキッズネットには「まんがでよくわかるシリーズ」など科学系の本があります。
    ・米国では以下の通り、2016年から数百万人の子供達に、数千冊の教育用電子書籍が提供されています。
    https://www.whitehouse.gov/blog/2016/02/23/now-available-library-opportunity
    注:2021年6月調査

  • Q

    大人向けなら無料デジタル図書館の前例がありますか?

    A

    ・日本の青空文庫には17,000冊以上の本があり、児童書の分野に限っても文学を中心に1,600冊ほどあります。
    ・国立国会図書館デジタルコレクションでは1,219,859点のインターネット公開資料を読むことができます。
    ・あまり多くはありませんが、電子図書館サービスをしている自治体もあり、在住・在勤・在学の方が利用できます。
    ・Google社が運営するGoogleブックスでは、日本語の本でも著作権の切れたもの、許諾のとれた本が読めます。
    注:2022年11月1日調査

  • Q

    小中学校向けのデジタル図書館は、有料ならありますか?

    A

    ・ベネッセが運営する「電子図書館まなびライブラリー」は進研ゼミ会員向けで、約1,000冊の電子書籍を読むことができます。
    ・ECCジュニア電子図書館はECCジュニア在籍生のための電子図書館です。
    ・School e-Libraryは、年間2万8800円でクラスの41人が同時に出版社8社1000冊の電子書籍を読むことができます。
    注:2021年6月調査
    ・「ポプラ社が運営する電子書籍読み放題サービスYomokka!(よもっか!)は、自治体または学校単位での契約により、小中学生が約800冊のポプラ社作品を読むことができます(※2022年度より他社作品も追加)。
    注:2021年9月調査

  • Q

    学校デジタル図書館に学校司書は必要ですか?

    A

    電子になっても本と子供をつなぐ役割は変わりません。むしろ重要になってきます。学校司書は従来の紙の本に加え、多様なデジタル情報にアクセスするスキルを子供達に教えなければなりません。子供達はデジタル教科書、教材と学校デジタル図書館内の電子書籍、統計資料、郷土資料を横断検索したりWeb上の資料にもアクセスできるようになります。それらの複合的な活用を学校司書が支援出来るように、文部科学省は学校司書のスキルアッププログラムを充実しなければなりません。また学校司書は全国の学校司書とネットワークを作り、情報を共有しながら先生方を支援することもできます。

  • Q

    小中学校向けの学校デジタル図書館があると紙の図書館は不要になりますか?

    A

    電子出版は調べものに向いています。向き不向きがあるので、ある程度の紙の本も必要です。電子出版は技術の進展に伴い表現力が強化されますが、必ず負の面があります。検証は常に必要と思います。

  • Q

    学校司書が苦労していた選書は不要になるのですか。

    A

    購入する本を選ぶという意味での選書は不要となりますが、その学校の子ども達に読んで欲しい本を選ぶ新たな「選書」が可能となります。食育や観光や産業など地域ならではのテーマを題材にした図書などを、学校毎のポータルページを設けて子ども達に紹介することができる様になればいいと思います。先生方や司書の方々でネットワークを作り情報を共有することで、選書の幅を広げることも重要になると思います。

  • Q

    本が1冊読まれると、出版社はいくらの収入になりますか?

    A

    これは運営母体が決めることになりますが、民間のサービスを参考にして決められると思います。

  • Q

    国が作る唯一の学校デジタル図書館だと、競争が無いので使い勝手が悪いのでは?

    A

    第3者の評価委員会の設置など、工夫が必要かもしれません。

  • Q

    民間のデジタル図書館サービスの事業を圧迫しませんか。

    A

    民間では、地方の子供や収入の少ない家庭の子供、海外の日本人の子供、日本に住む母国(語)が日本(語)ではない子供、図書室を使えない夜間中学の子供、紙の本は読めない子供も含め、可能な限り公平に読める全国均一なインフラサービスを緊急に作ることは出来ません。民間は、ベーシックインフラ(注)として学校デジタル図書館を使い、マーケティング活動は各出版社が独自に特徴を出すことで、自社の収入の増加が見込めます。
    注:小中学校デジタル図書館サービスを各種サービスの起点として使う意味合いでベーシックインフラとしました。ベーシックインフラ上に、各学校が独自のポータル(UI)を作ることもできますが、出版社も独自のUIを用意できます。科学博物館や遊園地のようなUIもあるかもしれません。紙の本が読めない子供のUIや、母国(語)が日本(語)ではない子供のためのUIも別々に必要と思います。UIはニーズによって、常に成長して行くものと思います。また、全国の学校司書や海外の日本人学校のコミュニティの場を作ることもできます。

  • Q

    何故、小中学校のデジタル図書館だけで、高校向けのデジタル図書館は無いのですか?

    A

    高校生が読むべき本は、一般の大人の方と変わりません。教養本の他、専門書も必要でしょう。だとすると県立図書館や大学図書館並みに揃えなければなりません。むしろ高校は大学と連携し、大学の電子図書館を利用させていただくのが良いのかもしれません。ただ、大学図書館の電子化も欧米に比べ周回遅れでした。大学の教育改革で、少しずつ挽回しつつあります。

  • Q

    紙の本は読めない子供のためにアクセシビリティに配慮したデジタル本とは何ですか

    A

    視覚障害だけでなく発達障害など多様な視機能障害、失語症、身体障害により本を持てないなど、紙の本が読めない子供のための文字データと音声データによるデジタル本です。デジタル本の規格であるEPUB規格のアクセシビリティJIS規格(来年制定)に準拠することになると思います。

日本電子出版協会(JEPA)からのお願い


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