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選考委員:落合早苗 近藤勲 鷹野凌 馮富久 神宮司信也 下川和男
参考:過去の授賞作品リスト(Wikipedia)
日本電子出版協会は設立39年、年会費6万円~、月2回程度Webセミナーを開催
※様々な委員会で情報交換や交流が行えます。
投票は12月9日(月) 23:00で終了します。各ジャンル賞、大賞の発表は12月18日15:00@Zoomです。
■ デジタル・インフラ賞 ■
・書店在庫情報プロジェクト (出版文化産業振興財団・版元ドットコム・カーリル)
書店の在庫情報を表示し、読者に対し近隣の書店で購入可能であることを提示するサービス。連携ウェブサービスで書誌情報を表示したとき、ブックファースト、大垣書店、くまざわ書店、今井書店などの在庫情報が一緒に表示される。6月21日に実証実験開始。
・YouTubeチャンネル「出版区」 (トーハン)
推し本を紹介する動画のプラットホーム。トーハンが開設し、トーハン社員が企画・撮影・編集すべてを手掛ける。2024年9月16日にチャンネル登録者数が10万人を突破、動画の累計再生回数は1,500万回超を記録。
・Readium LCP 普及活動 (日本デイジーコンソーシアム)
2018年に欧州のEDRLabにより提案された、DRMの標準フォーマット。これを利用することにより、様々なサービスやデバイスごとに異なるDRMを標準化でき、多様なコンテンツのアクセシビリティが向上する。デジタル教科書など新規コンテンツのDRMとして有用である。
・HONDANA電子書籍 (とうこう・あい)
電子書籍直販開始に必要な機能が揃ったオールインワンのサービス。「HONDANA+(プラス)」と連動し、コンテンツファイルの登録だけで販売を開始できる。「FLB」に「BinB」を採用し、信頼性の高い環境下での配信が可能。
・小説家になろう (ヒナプロジェクト)
日本最大級の小説投稿プラットフォーム。「なろう系」「異世界転生」などと呼ばれる新たな小説ジャンルやムーヴメントを生み出している。2024年2月に創業メンバーが退任、新社長体制で運営。
・bookend (アイドック)
電子書籍配信プラットフォーム。会員向けコンテンツ配信や、出版社向けの電子書籍販売ソリューション、ソーシャルDRMソリューションなどを提供する。有斐閣、Gakken、オーム社、ハルメク、誠文堂新光社、飛鳥新社、扶桑社などに採用されている。
■ スーパー・コンテンツ賞 ■
・名作リメイクプロジェクト (ビーグリー)
過去の傑作漫画をカラー化したい、そこへAIを活用。作製された画像について、まだ表情が不自然などの意見もあるが、出版業界でのAI活用法のひとつとして注目される。現在、4作品。特に「児童福祉司 一貫田逸子」のリメイク版が話題に。
・イロトリドリル (小学館)
小学館のドリル・参考書全商品が一堂に会するサイト。トップ画面の「対象から探す」から、合致項目を選択。年齢・学年や内容、キャラクターの有無などを選択すると、条件に合うドリルの一覧が表示される、購入用のボタンから、即購入も。
・カクヨムネクスト (KADOKAWA・はてな)
KADOKAWとはてなが共同開発するWeb小説サイト「カクヨム」のサブスクリプションサービス。KADOKAWAのライトノベルレーベルやカクヨムで活躍する人気作家の最新オリジナル小説をサブスクリプション(定期購読)の会員向けに提供。
・Minecraft (マイクロソフト)
通称"Notch"で親しまれるスウェーデンのプログラマーMarkus Persson氏が開発したサンドボックス型のゲームコンテンツ。2009年にパブリックアルファ版がリリースされ今年で15周年を迎える。とくに子どもたちの人気が絶大で、遊びの要素だけではなく教育的な観点での評価も高まり、今ではEducation Editionと銘打った教育に特化したバージョンもある。2014年には開発運営企業MojangをMicrosoftが買収。日本ではマイクラの名前で親しまれている。
・子供の科学100周年 (誠文堂新光社)
創刊100年事業として、1924年(大正13年)からの初期10年分をデジタルで復刊し、他社の古い雑誌の復刊にも多くの影響を与えた。創刊の辞も、使命感が感じられ感動的で、それらをよみがえらせた意義も大きい。100周年特大号の「2050年の子供の科学」も、その先見性などが話題となった。
・東京都同情塔 (九段理江・新潮社)
創作物と生成AIとの関係が問われる中、小説の一部の表現に生成AIを使った芥川賞受賞作。「生成AIを使った」という発言の一部が切り取られて勘違いした人たちが続出したのも、本作のテーマにも通じる皮肉な現象。SNSにより加速している分断や不寛容など、デジタル社会との向き合い方を考えさせられる。
■ エクセレント・サービス賞 ■
・R-TOON (楽天KOBO)
2021年2月に楽天Kobo電子書籍ストアで開始された「いつも無料」「待つと無料」の「Rakuten kobo話読み」サービスが名称を変え、2024年1月から新たに「R-TOON」としてリリース。縦スクロールを含めた、幅広いジャンルのデジタルコミックを読むことができるサービス。
・Amazon Fliptoon (アマゾンジャパン)
モバイル端末での閲覧に最適化されたフルカラーの縦読みマンガに特化したサービス。専用アプリをダウンロードしなくてもウェブブラウザ上で利用することが可能。2023年3月リリース。 「Amazon Fliptoon 縦読みマンガ大賞」も開催。
・ジャンプTOON (集英社)
スマホ・タブレット端末向け縦読みマンガアプリ。ブラウザからでも利用可能。オリジナル連載マンガや人気作品のタテカラー版を掲載。2024年5月サービス開始。投稿サイト「ジャンプTOON NEXT!」や「ジャンプ TOON AWARD」も開催。
・コミックサイト「ハヤコミ」 (早川書房)
世界の名作SF・ミステリの読者の裾野を広げる手法として、コミカライズを採用、かつWebサイトで展開。現在(2024年11月)、『そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティ)』『同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬)』など12作品。
・コミックシーモア (NTTソルマーレ)
今年20周年を迎えた国内最大級の電子書店。ガラケー時代の電子書籍市場をけん引し、スマホへの移行期の苦境を乗り越えて、今では、電子書籍配信事業のみならず、出版事業、IP事業、海外事業など、多角的な展開をする、電子書籍の歴史とともに歩んできた。
・Novelous (小学館)
AI翻訳による北米向けライトノベルアプリ。AI翻訳にかける前に翻訳者ら人の手で登場人物の特徴や時代背景、文脈などを細かく整理して、物語の世界観や作品の質を保ち、海賊版で見られる単純な機械翻訳と差異化。登場人物のイラストを使うなど、海外ユーザーにわかりやすい仕掛けも。
■ チャレンジ・マインド賞 ■
・デイリーポータルZ (デイリーポータルZ 林雄司)
2002年にニフティの事業としてスタートし、事業譲渡であちこち転々としたのち、2024年1月から編集長・林雄司氏が自分で設立した新会社の運営に切り替わった。無料で閲覧できる楽しい記事を日々更新しつつ、収益の柱を広告ではなく「はげます会」を中心にしようと奮闘している。
・IMART 国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima (MANGA総合研究所)
マンガ・アニメのボーダーレス・カンファレンス。2024年は5日間で登壇者80名、25セッションを実施、海外のエンタメ企業参加によるビジネスショーケース&商談会や、および学生を対象としたアニメ・マンガビジネスコンテストも同時開催
・イマーシブブックリーダー (U-NEXT)
頭にかぶる空間コンピュータ「Apple Vision Pro」向けのXRブックリーダー。視界いっぱいに広がる手ぶらの没入型読書体験が楽しめるほか、仮想本棚から直感的に本を選択できる。
・novel-writer (藤井太洋)
Microsoftのソフトウェア開発環境「Visual Studio Code(VSCode)」での小説執筆を支援する機能拡張。作家・藤井太洋氏が個人で開発している。Gitによるバージョン管理、正規表現複数ファイル検索置換はもちろん、一行あたりの文字数を設定できる縦書きプレビュー、形態素解析による品詞の色分けなどが可能。
・Mantra (Mantra)
マンガに特化した機械翻訳エンジン。マンガの海外市場拡大をスピーディにするため、翻訳ワークフローの大部分を一本化し、全世界でのサイマル配信を可能にする独自のソリューションを提供している。
■ エキサイティング・ツール賞 ■
・ライトアニメ (大日本印刷)
マンガ原稿の活用を基本にした動画化で、制作期間とコストを大幅に抑え、原画のタッチを活かしたい作品などを比較的容易に提供可能に。サービス開始は2022年8月から。既に製作された作品の放送や配信もされている。
・CLIP STUDIO PAINT(クリスタ) (セルシス)
株式会社セルシスが開発するペイント・漫画原稿制作ソフト。独自の描画エンジンを搭載しており、3DCGキャラクターや背景など、デジタルイラストの創作に最適なツールとして、とくにデジタルコミック・ウェブトゥーン業界のクリエイターたちの定番ソフトとして利用される。また、ワコムの製品をはじめとしたタブレット製品同梱され、そのシェアは拡大し続けている。
・Kobo Libra Colour、Kobo Clara Colour (楽天KOBO)
楽天Kobo電子書籍リーダーとして初のカラーE INK Kaleidoタッチスクリーン対応の電子書籍リーダー。IPX8規格準拠の防水機能や、ComfortLight PROを採用したライトなど。2024年5月販売開始。
・Thorium Reader 3.0 (オープンソース)
Rediumの後継としてOSSプロジェクトとして開発が進むEPUBリーダー。OPDS仕様に対応している他、MathMLの描画など、高機能。2024年6月に3.0がリリースされ大幅改善された。まず、本棚UIが一新され、ダークモードが追加されるなどモダンデザインが反映されている。さらに、読書画面では注釈機能が実装されるなど、使い勝手が大幅に向上した。して学習マンガなどを映像化し、自治体や学校の電子図書館向けコンテンツとして提供を開始した。
■ 生成Ai 賞 ■
・AIスマホ(Pixel 9、iPhone 16) (Google、Apple)
昨今の生成AIブームを、さらに一段、利用者に近づけることとなったGoogleおよびAppleのスマートフォン。Google「Pixel 9」シリーズは、業界初のAIスマホを謳い、Googleが開発しているAI「Gemini」を搭載。一方のApple iPhone 16シリーズでは、「Apple Intelligence」を採用することで、利用者が意識することなくAI活用できる端末となっている(2024年11月現在、日本では未対応)。
・ChatGPT (OpenAI)
OpenAIが開発する対話型の生成AI。今の生成AIブームのきっかけを作ったサービスで、リリース当初から人間の対話のように使えると評価を得て、今に至る。無料版・有料版、それぞれで使用する言語モデルは異なるが、日常的な会話だけではなく、元データを与えて分析したり、レポートを書くなど、テキストベースでさまざまなものを生成する。
・Copilot (マイクロソフト)
Microsoftが提供する生成AI。OpenAIが開発する言語モデルGPTをベースに、MicrosoftがWindows他にチューニングして提供するサービス。そのため、パソコンユーザにとって使いやすく、最近ではWordやExcelなどと連携した使い方など、その対象範囲が広がり、ユーザ数が増えている。
・Gemini (Google)
Googleが開発するマルチモーダル生成AI。多くの生成AIと同様、テキストベースの自然言語処理での対応に加えて、画像認識をもとにした対話やコンテンツ生成が可能なのが特徴。別候補にもなっているAIスマホとして、初めてスマホに搭載された生成AIでもある。その他、Gmailをはじめとした各種Googleアプリケーションとの連携も行えるのが特徴。
・Claude (Anthropic)
Anthropicが開発する生成AI。今回挙げている生成AIの中では後発なものの、人間のような対話を売りに、テキストベースでさまざまなコンテンツの生成やコミュニケーションを行える。後発な分、これまでのもので課題となっている点を解消すべく、安全であることをを強調し、安心して利用できる点をウリとしている。