投票は終了しました
選考委員:落合早苗 近藤勲 鷹野凌 馮富久 神宮司信也 下川和男
参考:過去の授賞作品リスト(Wikipedia)
日本電子出版協会は設立38年、年会費6万円~、月2回程度Webセミナーを開催
※様々な委員会で情報交換や交流が行えます。
投票は12月4日(月) 23:00で終了します。各ジャンル賞、大賞の発表は12月21日16:00@Zoomです。
■ デジタル・インフラ賞 ■
・Xfolio:クロスフォリオ(BookLive)
すべてのクリエイターに、ポートフォリオ作成からファンコミュニティ、マネタイズまでクリエイターに必要な機能を集約して展開する総合プラットフォーム。2022年にサービスを開始したが、2023年5月には従来のマンガ、イラストカテゴリに加えて、小説カテゴリを追加、テキスト作品の投稿にも対応。6月までに投稿された推計作品数は総計6万作品を超えた。
・MDAM:エムダム(集英社・大日本印刷)
集英社が中心となって開発された総合誌面制作基盤。雑誌制作ワークフローの標準化と、コンテンツの二次利用を促進するアセットマネジメント機能を備えたシステム。小学館、講談社など、複数の出版社が採用するプラットフォームになっている。
・Bingチャット(日本マイクロソフト)
マイクロソフトがOpen AIと提携しサービスを開始した、無料で誰でも使える「生成AI」。これによりLLM(大規模言語モデル)を使った人工知能が身近になった。特にBingチャットはWeb検索した後に、生成AIを使用するので、最新の情報でのチャットが可能となっている。「Bingチャット」は11月15日付けで「Copilot」にブランド名を変更しているが、ここでは一般的な旧名称を使用する。
・UDデジタル教科書体(モリサワ)
弱視(ロービジョン)や識字困難(ディスレクシア)など、読み書き学習上の困難を抱える人に配慮したユニバーサルデザインの書体。書体の開発企業として知名度の高いモリサワが、2016年5月にリリース。2017年の秋からは、Windows10にも標準搭載されている。文字の太さの強弱を抑えながら、点やはらい、画数、筆順を学習指導要領に準拠する書体で、教育現場からの支持が広がっている。
■ スーパー・コンテンツ賞 ■
・KADOKAWA「タテスクコミック」レーベル(KADOKAWA)
2021年8月に「タテスクコミック」レーベルを設立と、国内の出版社のなかではかなり早い段階でウェブトゥーン事業に参入。既存の人気作品をフルカラー&縦スクロール形式に対応させるだけでなく、オリジナルにも注力し、全マンガ編集部参加による「タテスクコミック大賞」は今年第3回を迎えた。BOOK☆WALKER Globalを通じて海外にも配信している。
・小学館世界J文学館(小学館)
1冊の本を買うことで125冊の世界名作を電子書籍として読める全集。紙の書籍はイラストやあらすじで作品を紹介する「名作図鑑」で、気になる作品はページ端のQRコードを読み込めばデバイスに作品の全文が出現、Wi-Fiさえつながっていればどこででも読める。PCでも読むことができる。
・文學界(文藝春秋)
創刊90年の文芸誌。第169回芥川賞受賞作「ハンチバック」の掲載誌で、著者・市川沙央氏が記者会見で「全ての人が自由に本を読める環境『読書バリアフリー』を進めてほしい」と提言した直後の9月号(8月17日配信開始)からリフローEPUBの電子版配信を開始した。
・週刊文春電子版(文藝春秋)
スクープを連発する「週刊文春」の記事が雑誌発売日の前日正午に読めるサブスクリプションモデルの電子雑誌。2021年3月にスタートし、2023年7月に有料会員が1万人を突破した。取材活動を寄付で支援するプランも開始約2カ月で350万円超の寄付を集めるなど、持続可能なビジネスモデルを模索している。
・生成AI導入の教科書(ワン・パブリッシング)
2023年のホットトピック「生成AI」に関する解説書。今回の書籍で注目したいのが、執筆に生成AI「ChatGPT」を活用している点。約11万字の書籍を3ヵ月弱という短期間で完成、刊行の運びとなった。2023年時点でのAIを取り巻く環境からはじまり、実際に業務で活用するための方法論、現在活用している企業のAI導入プラクティスなど、2023年の生成AIを学ぶのに最適な構成となっている。
■ エクセレント・サービス賞 ■
・丸善リサーチ(丸善リサーチサービス/Legal Technology)
会計・税務・M&A領域の専門書籍を横断的に検索・閲覧できるリサーチシステム。2023年10月にリリース。専門家が信頼を寄せる出版社の専門書籍や雑誌を厳選して掲載。リリース時点で12社の出版社と提携しており、税務領域を中心に数百冊の専門書籍や雑誌を自由に検索・閲覧することができる。
・論文のXML化推進(JST 科学技術振興機構)
"日本の学術論文の総元締めとして、600万件近い論文や資料を保管・配信している。近年、WordからXMLへの変換、学術論文XML(JATS)の推進、プレプリント(査読前論文)の公開用サイトの開発・運営など、論文のデジタル化を推進している。
・コミチ+(コミチ)
ウェブマンガ誌運営サービス。SaaSで安価に素早くサービス立ち上げが可能。媒体や作品のブランディングや運用支援も行う。白泉社「ヤングアニマル」、秋田書店「ヤンチャン」、小学館「ビッコミ」など。
・ノベルピア(NOVELPIA JAPAN)
韓国発のWeb小説投稿サービス。2022年8月に日本でベータサービス開始、2023年8月から正式サービス開始。投稿ユーザーに対し1PV1円という破格の収益還元で作品を募り、他の投稿サービスとの差別化を図る。
・bookend(アイドック)
電子書籍配信プラットフォーム。会員向けコンテンツ配信や、出版社向けの電子書籍販売ソリューション、ソーシャルDRMソリューションなどを提供する。有斐閣、Gakken、オーム社、ハルメク、誠文堂新光社、飛鳥新社、扶桑社などに採用されている。
■ チャレンジ・マインド賞 ■
・YourEyes(スプリューム)
読者バリアフリーを実現するツール。iPhone、iPod touchのカメラで本を1ページずつ撮影し、合成音声で読み上げる。AIで版面解析等を行い、OCRした内容をAIで修正し、音声化する。AIで修正できない箇所に対しては、人による修正ツールが用意されている。
・HykeComic(HykeComic)
ウェブトゥーン事業への参入が相次ぎ、スタジオやレーベルが次々と立ち上がってウェブトゥーン熱が高まる中、ウェブトゥーン向けに特化してリリースされたアプリ。今後のウェブトゥーン市場を盛り上げてくれることを期待して。
・Windows 11 23H2(日本マイクロソフト)
2023年10月31日(米国時間)にリリースされた、Microsoftの汎用OS「Windows 11」の最新アップデート。さまざまな新機能が実装される中、とくにCopilot in Windowsが搭載された点に注目。AI機能が組み込まれたOSへ進化した。また、すでに実装済みの視覚対応のカラーフィルターや読み上げ機能の「イマーシブリーダー」など、アクセシビリティ機能も改善・向上している。
・大江健三郎文庫・書誌情報データベース(東京大学大学院人文社会系研究科・文学部)
著作権の切れていない作家のデジタルアーカイブとしては国内最大級。ノーベル賞作家・大江健三郎に関する資料を整理した三部構成のうち、「自筆原稿デジタルアーカイブ」と「関連資料」は文庫内でのみ閲覧、「書誌情報データベース」が一般公開。「死者の奢り」から「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」にいたる、すべての年代の小説作品に加え、評論作品等の原稿、書誌情報が幅広く収録され、紐付けられている。
・YOMcoma(ブックリスタ)
ショートマンガ専門の創作支援サービス。X(Twitter)への投稿一括取り込みや、AIによる投稿サポートなど。読者向けには、新作よりも「読んでいない作品」が届きやすい仕組みで、過去作品の掘り起こしを図る。
■ エキサイティング・ツール賞 ■
・Adobe Firefly(アドビ)
Adobeが提供する学習にAdobe Stock画像、オープンライセンスのコンテンツ、一般コンテンツを使用、商用利用が可能、生成AIで問題になった著作権問題をクリア。Adobe Creative Cloudと連携し、既存のワークフローに組み込めるよう設計されている。日本語を含む100以上の言語のテキストプロンプトがサポートされ、初心者でも気軽に利用することができる。
・Thorium Reader(Thoriumプロジェクト)
Rediumの後継としてOSSプロジェクトとして開発が進むEPUBリーダー。2023年8月に最新2.3リリース。OPDS仕様に対応している他、MathMLの描画など高機能。アクセシビリティに関するメタ情報の埋込、TTS対応など読書バリアフリーに向けた機能拡充が特徴の1つ。
・Comic-Copilot(集英社 少年ジャンプ+)
マンガ創作を助けてくれる対話型のAI。イラストレーターや写真家などのクリエーターが生成AIにネガティブな見方を表明している中でリリースされ、生成AIの創作利用に一石を投じてくれたツール。
・ライトアニメ(大日本印刷)
マンガ原稿の活用を基本として動画にすることで、制作期間とコストを大幅に抑え、従来の手法ではアニメ化が難しかった作品や原画のタッチを活かしたい作品などを比較的容易に提供可能に。サービス開始は2022年8月から。また2023年6月からはDNPと図書館流通センターが共同で、「ライトアニメ」を活用して学習マンガなどを映像化し、自治体や学校の電子図書館向けコンテンツとして提供を開始した。
・CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)(セルシス)
株式会社セルシスが開発するペイント・漫画原稿制作ソフト。独自の描画エンジンを搭載しており、3DのCGキャラクターや背景など、デジタルイラストの創作に最適なツールとして、とくにデジタルコミック・ウェブトゥーン業界のクリエイターたちの定番ソフトとして利用される。また、ワコムの製品をはじめとしたタブレット製品同梱され、そのシェアは拡大し続けている。