⇒ 投票は終了しました
選考委員:落合早苗 近藤勲 鷹野凌 福浦一広 馮富久
日本電子出版協会は設立36年、年会費6万円~で入会でき、月2回程度Webセミナーを開催、様々な委員会で情報交換や交流が行えます。
投票は12月6日23:00で終了します。各ジャンル賞、大賞の発表は12月22日です。
オンラインでの発表会+今年の電子出版トレンドセミナーは、どなたでもご参加いただけます。
■ デジタル・インフラ賞 ■
・ビジョン2021-2025 (国立国会図書館)
国立国会図書館が保有する江戸時代から2000年までの蔵書をスキャン画像でデジタル化した後、OCRを開発してテキスト化も行い、アクセシビリティを高め、AI研究にも役立てるという、「日本の知のデータベース」を作るプロジェクト。入手困難資料の個人向け配信など国民へのサービスも拡充。
・Google ニュース ショーケース (Google)
主要全国紙や通信社・地方紙など国内40社以上の報道機関が参加するニュース配信プログラム。パブリッシャーのサイトにトラフィックをもたらすとともに、参加報道機関への収益分配を行う。
・公共図書館向けオーディオブック配信サービス (京セラコミュニケーションシステム・オトバンク)
読書バリアフリー法対応で、図書館サービスとして新たにオーディオブックを利用者に提供。公共図書館システム「ELCIELO」のオプション機能。Web OPACと連携。来館不要。アプリやプラグイン不要。同時接続制限なし。
・books.or.jp (日本出版インフラセンター)
1997年7月に日本書籍出版協会が公開。何度かリニューアルを経て、2019年3月に出版情報登録センターのデータベースと統合され、書影を含めたより多くの項目が表示されるようになった。2021年10月からは雑誌の詳細情報も表示。さらに2022年からは、出版業界の重要課題である『著作権法改正による図書館関係の権利制限』や『読書バリアフリー法』に対応する「マルチコンテンツ情報」(電子化、オンデマンド、異版、オーディオブック等)の表示も予定されている。時代のニーズとともに進化している書籍検索サイト。
■ スーパー・コンテンツ賞 ■
・ブックタウンJIMBOU (連想出版・神田古書店連盟)
16年ぶりにフルリニューアルした本の街、神保町の紹介サイト。本への愛情があふれていて、店内360度映像が面白い。書店や古書の検索に加え、「神保町散歩道」がユニーク。
・YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」 (有隣堂)
書店が独自に開拓した、読者と書店をつなぐ取り組み。「有隣堂のファンづくり」と「店舗以外での客とのコミュニケーション量を増やすこと」といった目的に絞った点がユニーク。会員数10万9千人(2021年11月)/動画再生回数1007万回(yutura調べ )。書店に来てさえくれれば、「棚」が本と読者をつないでくれる。
・SlowNews (スローニュース)
ジャーナリズムやノンフィクション特化型のサブスクサービス。講談社・文藝春秋・岩波書店などのノンフィクション書籍や、NYT・ガーディアンなど海外メディアやオリジナルの調査報道が読める。取材費用の支援やコンテンツ配信の協力も行う調査報道支援プログラムも。
・会社四季報 業界地図デジタル (東洋経済新報社)
累計200万部突破の「会社四季報 業界地図」を完全デジタル化。その豊富なコンテンツと同社が蓄積してきた企業データを組み合わせ、業界の勢力図を「見える化」し、気なる業界、企業をスピーディーに掘り下げる。また独自ランキングで、業界・企業同士をあらゆる角度から比較できる。料金プランは月額と年額。
・Rakuten kobo話読み (Rakuten)
2021年2月に楽天Kobo電子書籍ストアで始まった「いつも無料」「待つと無料」のサービス。立ち読みファイルとは別に楽天グループでは編集チームを編成し、続きが読みたくなるところで分割して制作。楽天経済圏でクロスユースが促進されているため、他のストアと比べて幅広いジャンルが購買に誘導されている。今後の展開に期待。
■ エクセレント・サービス賞 ■
・聴き放題プラン (オトバンク)
2018年3月のサービスリニューアルに合わせて導入された「月額750円で対象作品が聴き放題のプラン」がヒット。会員数がリニューアル前は30万人から200万へ(2021年6月)。サブスクのプランに、入門者用(聴き放題:月額880円/作品数は1万冊/コスパが良い)と読書家用(月額コース:月額550円~3,300円/作品数は8万冊/有名作品が多い)の2パターンを設定したのが成功の要因か。
・LibrariE & TRC-DL (日本電子図書館サービス・図書館流通センター)
クラウド型電子図書館サービス。コロナ禍の影響でニーズが拡大し、公共図書館への導入が一気に加速した。ウェブアクセシビリティは総務省推奨ガイドラインJIS規格「JIS X 8341-3:2016」適合レベルAAに準拠し障害者差別解消法にも対応。図書館システム連携や独自資料の登録も可能。
・連想検索システム 知の泉 (モバイルブック・ジェーピー)
国立情報学研究所との共同研究により、本の「特徴となる単語」の重なり具合をもとに検索元に近い本を探し出す技術をMBJ「どこでも読書」へ導入し、販売促進を図る実証実験を開始した。
・ピッコマ (カカオピッコマ)
待てば無料のマンガ・ノベルアプリ。2016年4月のサービス開始と後発ながら、2021年10月には3000万ダウンロードを突破するなど急成長している。看板作品は縦スクロールの「SMARTOON(ウェブトゥーン)」だが、国内出版社系のページめくり横読み形式の電子コミックも扱う。
・Gihyo Digital Publishing (技術評論社)
技術評論社が運営する電子出版サービス。オープン当初からPDFに加えて、リフロー型EPUBの提供に取り組み、2021年11月現在3,300点を超えるタイトルを配信している。配信データにソーシャルDRMを利用していることが特徴で、日本国内ではいち早くギフトコードを活用したデジタルコンテンツの配信を実装するなど、紙と電子の価値を高めた電子書店として多くのユーザに利用されている。
■ チャレンジ・マインド賞 ■
・FanTop (メディアドゥ)
NFTを活用したデジタルファンアイテム配信サービス。数量限定のボックス販売だけでなく、トーハンとの連携でリアル書店での購入特典としても活用、来店・販売促進を図る。ユーザー間の二次流通も行えるようにする予定で、そこでの収益も権利者へ還元する。
・theLetter (OutNow)
個人ブランド向けニュースレター配信サービス。ブラウザ執筆、ニュースレターとウェブ記事のハイブリッド配信。誰でも読める/メールアドレス登録が必要/有料読者のみ閲覧を記事ごとに切り替えたり、文章の途中から閲覧制限をかけたりもできる。
・Shodo (ゼンプロダクツ)
クラウドの日本語執筆サービス。ブラウザだけでAI自動校正、オンライン相互レビュー、記事の執筆公開管理、ブログ連携、文章分析機能、チーム独自の校正ルールや表記揺れルール、メンバーの役割管理などができる。
・Skeb (Skeb)
短文で手軽にイラスト作品を有償でリクエストできるサービス。見積り・打ち合わせ・リテイクが禁止されており、投稿作品の権利はクリエイターに帰属する。言い替えれば、投げ銭付お題募集サイト。
・集英社マンガアートヘリテージ (集英社・スタートバーン)
マンガをアートとして販売するプロジェクト。マンガ本文の印刷用データとカラー原画の高解像度データをアーカイブする「Comics Digital Archives(CDA)」を活用し、ファインアート紙へ耐光性インクで印刷したり、活版平台印刷機で印刷したり、ブロックチェーン証明書発行サービスを利用して来歴情報を記録したりしている。
・みを(miwo) (人文学オープンデータ共同利用センター)
くずし字で書かれた大量な歴史的資料を使いやすくするAIくずし字認識アプリ。スマホで撮影するとAIが自動翻刻してくれる。江戸時代の版本のくずし字認識が得意。
■ エキサイティング・ツール賞 ■
・コミなびVR (メディアドゥ)
VR空間で読書するビューワー。「ビーチリゾート」「森林」「学校校舎」など全20種類のVR空間で、電子書籍を基にした本型の3Dモデルを、紙の本のようにページをめくりながら読める。
・コミチ (コミチ)
マンガ投稿サービス。作品の分析や共同制作機能、マンガ家向けサイト制作機能や読者層分析、ストア機能や他媒体でのマネタイズ、マンガ広告の紹介などを行う。縦スクマンガ専門ストアや、ウェブマンガ誌制作ツール、電子出版サポート機能なども提供。
・NRエディター (ボイジャー)
電子出版サービス「Romancer」の新エディター。従来はWordやPDFからEPUBへの変換ツールだったが、NRエディターはブラウザ上からスタイルを指定しリフローEPUBを簡単に作成できるツールになっている。BinBブラウザビューアは10周年。
・World Maker (集英社)
マンガのネーム制作アプリ。絵が描けなくても、スマホで脚本を書き、コマ割りテンプレートを選び、背景・キャラクター・オノマトペなど用意された素材を配置することで、簡単にネームが制作できる。