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●デジタル・インフラ賞
・NetGalley(出版デジタル機構)
書店員や有力レビュアーに対してゲラを送付していたものをデジタル版に置き換えるサービス。これまでは「顔の見えていた棚の担当者」にしか送付できなかったが、こうしたサービスにより潜在的にその作品のファンになり得る人が発掘できることを期待したい。
・統計ダッシュボード(総務省)
国の統計データを視覚的にわかりやすく、使いやすい形で提供。日本工業規格JIS X 8341-3:2010「高齢者・障害者等配慮設計指針-第3部:コンテンツ」の等級 A にも準拠。元データをCSVで吐き出すことも可能。ネ申エクセルからの脱却が素晴らしい。
・dマガジン for Biz(NTTドコモ・ブックウォーカー)
電子雑誌読み放題サービス「dマガジン」の法人向けプラン。あらかじめ登録されたWi-Fiスポットのエリア内で「dマガジン」アプリがインストールされた端末をWi-Fiに接続すると、サービスを利用できる。リアル書店での販促実証実験も行われている。
・Magaport(電通)
電子雑誌プラットフォーム。富士山マガジンサービスの「fujisan 記事抽出システム」を独占的に使用し、AI技術を活用し誌面データを自動でマイクロコンテンツに変換するサービス。誌面PDFデータを入稿するだけでテキスト・画像・文字サイズ・色・レイアウトなどを抽出、記事化できる。
・TIMEMAP(一般社団法人タイムマップ)
国立情報学研究所と連想出版が持つ連想技術をベースにインプレスグループの協力を得て開発した、時間軸に着目した新方式の検索エンジンです。キーワード検索で年表を作成し、年表全体を時間軸に沿って地図検索のように自在にズームイン・ズームアウトでき、情報の新しい探し方や見方を提供してます。
・じぶん書店(講談社・メディアドゥ)
ユーザーが自分の電子書店を開設・運営できるサービス。講談社の本から選んで並べて、売れた場合は10%のアフィリエイトコインが貰える。コインはポイント交換サイト「ドットマネー」で現金やTポイント、JALのマイレージなどとも交換が可能。
●スーパー・コンテンツ賞
・東洋経済オンライン(東洋経済新報社)
2013年にスタートした東洋経済のオンライン版。紙の雑誌のデジタル化という路線からネットオリジナルにシフトして大成功。2017年10月には月間2億5000万PVを達成。経済ものの他に、貧困や風俗ネタなど幅広い話題のジャンルを取り上げる。週刊文春に「下ネタ中心で2億PV」と揶揄されるまで注目を集めている。
・うつヌケ(田中圭一・KADOKAWA・ピースオブケイク)
電子雑誌「文芸カドカワ」とピースオブケイクの「note」で原稿料を折半して同時に連載、紙版が33万部を超える大ヒットに。ミュージシャンの大槻ケンヂさん、小説家の熊谷達也さん、宮内悠介さん、フランス哲学研究者の内田樹さん、脚本家の一色伸幸さんなど17人の体験談。流行語大賞にもノミネートされている。
・ウィキペディアタウン(Wikipedia)
街の名所や旧跡などをウィキペディア日本語版の記事にして、街をまるごとウィキペディアにしようという編集イベント。日本では2013年2月22日、インターナショナル・オープン・データ・デイ横浜で始まり、以降、全国各地で開催されている。過去の開催地を示した地図はこちら
・ネットワークビギナーのための情報セキュリティハンドブック(NISC内閣サイバーセキュリティセンター)
NISCのサイバーセキュリティに関する普及啓発活動の一環でハンドブックを電子書籍化、国内27の電子書店で無料配信。小中高校生など、広く国民にこのハンドブックに触れていただき、安心してインターネットを使える社会の実現に向けて協力してもらいたいとの希望が込められている。
・キュー(新潮社・ヤフー・上田岳弘)
スマホのウェブブラウザで無料連載される企画。縦書き・縦スクロールという、ちょっと変わったページめくりを採用。ヤフーによると「この取り組みが純文学のシンギュラリティ(技術的特異点)となる可能性もある」とのこと。
・HOLICS(DK media)
女性誌のコンテンツとAIがドッキング。「雑誌のコンテンツをテキストや画像単位に細分化(マイクロコンテンツ化)したうえで、デジタル端末向けに最適な形に再編集し、配信」をAIがやってくれる。
・科学図書館(科学図書館)
科学古典を無料公開しているWebサイト。スキャンではなく、TeXで組み版し直したPDFファイルを公開している。アインシュタイン、パスツール、北里柴三郎など国内外の科学者の著作を閲覧できる。一部タイトルはアマゾンPODを利用し紙書籍化している。
・てをつなご。(LINE×マガジンハウス)
毎週スマホ向けに配信されるLINE MOOKで2017年3月に創刊されたスマホ雑誌。マガジンハウス「Hanakoママ」編集部とのタッグで、雑誌を電子化するだけの、レプリカとしての「電子雑誌」とは違う概念での電子雑誌スタイルに期待。
・星海社COMICS(星海社)
星海社COMICSの電子書籍版。電子版配信に合わせて全作品・全ページの版面を新たにリマスタリングしたほか、袖まで含めたカバーの全パーツ、初版時の帯、本体表紙など、 紙の本の全要素を「ビジュアルギャラリー」としてデータ化するなど、一般化してきたデジタルコミックをさらに改善している点が評価できる。
・全巻一冊 北斗の拳(プログレス・テクノロジーズ)
プログレス・テクノロジーズが"紙の本をあたらしい視点で進化させる"ことを目的にKicksterterのプロジェクトとして開発を始めた電子本「全巻一冊」。人気漫画『北斗の拳』を最初のコンテンツとして提供。紙が持つ見開きの魅力など、紙とデジタルのUIの融合を目指す。
●エクセレント・サービス賞
・犬耳書店(パピレス)
実用書などの文字ものをマイクロコンテンツとして販売する仕組み。読みたいトコだけ買える、実用書専門の電子書籍サイト。シンプルなテキストが多く、パソコンやスマホで簡単に読むことができる。
・マガジンクラウド(ハースト婦人画報社)
紙の雑誌を購入すると、電子版が無料で閲覧できるサービス。雑誌内の横断検索にも対応。紙の「電子版コード」や「購読者番号」で認証。2012年以降から発表時の最新号までのバックナンバー(一部を除く)は誰でも無料で試読可能。出版社自ら。発行する全13誌に対応するという意欲的なプロジェクト。
・978STORE(マイナビ出版)
ソーシャルDRMを導入した出版社直営の新たな電子書店。インプレス、かんき出版、サンマーク出版、三和書籍、シーアンドアール研究所、JTBパブリッシング、誠文堂新光社が参画。近日、プリントオンデマンド版書籍にも対応予定とのこと。
・honto with(トゥ・デファクト/大日本印刷)
丸善・ジュンク堂の実店舗、オンライン書店、マイ本棚、電子書店の本の串刺し検索のほか、来店時にアプリからのチェックインでhontoポイントが付与。丸善・ジュンク堂・文教堂の在庫検索から、取り置き・取り寄せも可能に。
・LINE版 LINEマンガ(LINE)
「LINE」上で「LINEマンガ」の無料連載を楽しむことができるサービス。脱専用アプリの動きとして注目。SNSのシェアで次回更新分を読むことができる「先読み」機能も。
・トークメーカー(未来創造)
キャラクター会話形式で物語を作成できる、小説投稿サイト。サービス内で用意されている公式キャラクターか、ユーザーが自作したキャラクターのアイコンを選択し、せりふや見だし、画像を挿入するだけで、会話形式の小説を作成できる。
・著者向けPOD出版サービス(インプレスR&D)
アマゾンPODによる紙書籍のセルフパブリッシングサービス。印刷可能なPDFファイルさえあれば、基本無料で紙の書籍を出版できるのが特徴。電子書籍同様に電子ファイルを用意すれば誰もが参加できることから、KDPユーザーが多数利用している。
・図鑑.jp(山と渓谷社)
2017年1月オープン。生き物図鑑の読み放題サービス。コミック以外の電子書籍の市場が伸び悩む中、専門性の高いコンテンツでサブスクリプションモデルを導入。専門書系電子書籍の伸び代を感じさせるサービス。
・コミックシーモアAIによるリコメンドサービス( NTTソルマーレ×NTTスマートコネクト)
2017年9月より導入を開始したAIによるリコメンドサービス。約80万件のユーザーレビューをAI、機械学習を活用し、作品ごとの感想・評価を分析。同様の読後感が得られる作品を探し出して紹介する。
●チャレンジ・マインド賞
・絵本ナビ(絵本ナビ)
電子版の「全ページためしよみ」で紙版通販への誘導を図ったり、NTTドコモと提携した「絵本ナビプレミアム forスゴ得」などの読み放題サービスなど、絵本ジャンルに特化した意欲的かつ先進的なサービス。
・マンガルー(ムーヤン)
ユーザーがマンガの一部をブログやSNSなどへ「合法的に」利用できる無料サービス。権利者から許諾を得た作品だけが利用可能。切り取られたコマの状態でも作品名がわかるようになっており、書店への誘導リンクもあって、販売促進にも繋がる。
・NovelJam(日本独立作家同盟)
著者と編集者が集まってチームを作り、わずか2日間で小説の完成・販売までを目指す『短期集中型の作品制作企画』。17作品が誕生している。「ライブ・パブリッシング」という概念を提唱し、2018年は合宿形式で開催予定。
・ツギクル(ツギクル)
2016年11月に正式オープンした小説投稿サイト。12月からはAIを利用して作品分析ができるサービスも提供開始。他サイト掲載のものでも登録可能。
・書店体験を変えるIoTプロダクト HACKATHON(日販×デジタルハリウッド)
日販とデジタルハリウッド共催のプロジェクト。入賞プロダクトを使った実証実験も行われた。第2弾の「POPSTAR」は本のPOPがARで表示されるというもの。同様の主旨のものは「IoTの窓口 byGMO」でも「スマート電子タグ」として開発され、これも同様に実証実験が行なわれている。
・yomi楽(ラクティブ)
EPUB販売ソリューション。出版社はEPUBをアップロードしてリンクを貼るだけ。もちろんDRMにも対応。手軽にEPUBを販売。読み放題、定期購入も対応可能。売り上げの80%が出版社に。決済はAmazon Pay。
●エキサイティング・ツール賞
・Edge(マイクロソフト)
今年最初のCreators Update、そして10月のFall Creators UpdateでEPUB対応の強化が進む、Windows 10標準のWebブラウザ。この対応により、Windows搭載のPCでのEPUB閲覧が大幅に改善された。読上げ対応によるアクセシビリティ向上に加え、日本を始めとした縦書き文化のコンテンツにも対応を進めている。最新版では。マーカー、アノテーションといったメモ機能が実装され、これからのさらなる普及が見込まれる。
・BCCKS(BCCKS)
紙と電子のセルフパブリッシングプラットフォーム。紙と電子のワンソースマルチユースを実現し、EPUB作成、共有編集、印税自動分配、ストア配本、電子書籍つき紙本「+e(プラスイー)」など多彩な機能でインディーズの支援を行っている。鏡リュウジ氏による「世界に1冊のオリジナル鑑定書」をパーソナライズド出版システムなどの取り組みも。
・ナゾル(シャープ)
大辞林とグランドコンサイス英和、和英辞典が個別に入ったペン型の3種類の辞書デバイスです。漢字、熟語、英単語、成句など、印刷物をナゾルだけで、3行の液晶画面に意味が表示されます。
・ジャンプPAINT(集英社×メディバン)
メディバンのスマホマンガ制作ツール・メディバンペイントのジャンプ公式版とも言える。『週刊少年ジャンプ』掲載作品を見本に練習でき、またジャンル編集部によるマンガの描き方講座も提供される。
・MDN Web Docs(Microsoft,Google,Mozilla)
MDNはMozilla、Google、W3C、Samsungが2005年にスタートしたWeb関連技術ドキュメントの統合・標準化プロジェクト。2017年10月にMicrosoftが協力することを表明し、7,700を超えるMSDNのドキュメントをMDN Web Docsに対応することが発表された。電子書籍にとって欠かすことのできないHTML5周辺のWeb技術について、より一層標準化が進むことが期待され、電子出版業界においてもコンテンツ・リーダー・インフラ面でのさらなる環境整備が見込まれる。
・超縦書、超画像(BPS)
WebKitを使った本格的EPUBビュアー(超縦書)とコミック向けの読書ビュアー(超画像)を提供する新興企業。W3CメンバーでEPUBビュアービジネスだけではなく、国際標準化活動も熱心に行っている。