キーパーソン・メッセージ

2019.07.30

雑誌売上の減少問題を製品マーケティングの観点から考える

アンテナハウス 小林 徳滋

 『出版月報』2019年1月号によると、冊子形式の雑誌の売上は18年連続で縮小しており、休刊点数が創刊点数を上回る状況が10年以上続いている。もはや、分野によっては雑誌媒体が消滅する可能性も考慮せざるを得ない事態である。

 こうした問題は、通常、出版業界の視点から取り上げられることが多い。しかし、雑誌のビジネスモデルでは購読料収入と広告収入を車の両輪としているため、雑誌の消滅によって影響をうけるのは出版業界だけではない。

 雑誌広告を利用している広告主にとっては、製品やサービスのマーケティング手段として雑誌広告が使えなくなるという問題である。ここでは主にソフトウェア製品のマーケティングの立場から考えてみた。

2019.07.01

「電子出版」が「夢」を叶えた!

イーブックイニシアティブジャパン  照井 哲哉

 「デジタル技術に支えられて、いまや、新しい「電子出版」(版を出すのではなくパブリッシングと言いたい)という商品の特性を生かすのはまさにネットワークであります。従来の出版社の経営上の大きな悩みは、高額の印刷費や紙代。本の返品や、それを保管する倉庫代。物流の費用や仕組み。多品種少量出版の非効率。などなどであります。これらが、ネットワークで一挙に解決するのですから、「夢の出版の時代が来た」と言ってもいいでしょう。」

 冒頭から長めの引用文で甚だ恐縮ですが、これは、私が在籍するイーブックイニシアティブジャパンの創業者である鈴木雄介が、この「キーパーソン・メッセージ」に寄せた文章の一節です。

 更新日が1997年7月1日とありますから、いまから20年以上も前イーブックの設立が2000年5月ですので、それより2年前のことです。電子出版…電子書籍に輝く未来を見出し、高揚している気分が伝わってくるようです。

 電子書籍という未開の分野に、鈴木氏の思惑通りにイーブックが順調に進撃したかといいますと、行く先々に困難が待ち受けていたようです。

 2000年代初頭は、電子書籍に対して出版社の意識は極めて慎重でした。私も長らく出版界に身を置いておりましたので、当時のムードは覚えています。業界の流れを一変させたのは、2007年にiPhoneの登場といっても過言ではないでしょう。数年後にはAndroidやタブレット型のデバイスの登場もあって「電子書籍元年」を迎え、電子書籍に対する注目は一気に高まりました。

 私がイーブックに転職したのは2010年。多額の造本代と流通コストが不要となる電子書籍に限りない夢が感じられたからです。もう10年が経とうとしています。

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