EPUBは、アクセシブルな情報システム(Digital Accessible Information System)を標榜するDAISYコンソーシアムがリードしてきました。昨年、障害者差別解消法が施行され、電子的な出版物のアクセシビリティがますます重要になってきています。アクセシビリティの問題は、文字コード、外字問題にも大きく関わってきます。EPUBを策定したIDPFがW3Cと統合するなど、世界的にも大きな動きがあります。今回のセミナーは、その現状を理解し、課題を認識するために企画しました。(村田)
●司会進行 村田 真氏(JEPA CTO、APL a11y WGリーダー)
●第1部:「情報アクセシビリティの現状とマイクロソフトの取り組み」
●講師:大島 友子氏(日本マイクロソフト) 【⇒プレゼン資料】
柳 明生氏(イースト) 【⇒プレゼン資料】
●概要:国連障害者権利条約の批准、障害者差別解消法の施行、デジタル教科書の導入など、”読むこと”に困難のある人を取り巻く環境は大きく変わってきています。このセッションではその現状のご説明と、音声読み上げソフトWordTalker、UDデジタル教科書体、EdgeやOfficeの読上げ機能など最新の取り組みをご紹介します。
●第2部:「デジタル化による視覚障害者の読書環境の向上と課題」
●講師:中根 雅文氏(慶應義塾大学) 【⇒プレゼン資料】
1990年代半ば頃より、研究者、開発者、全盲の視覚障害があるユーザーの立場からアクセシビリティに関する様々な活動に取り組む。
1997年から2001年にかけてWorld Wide Web Consortium (W3C) のWeb Accessibility Initiative (WAI) に参加し、Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 1.0 の策定に関わる。
Webアクセシビリティーの指針を定めるJIS X 8341-3の2010年および2016年改定時には原案作成委員会に参加。
ウェブアクセシビリティ基盤委員会WG2委員
アクセシビリティーの情報サイト「AccSell」主催
慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 特任助教
●概要:
このセッションでは、視覚障害者の読書環境の変遷を概観し、その現状を紹介します。
まずアナログ時代の読書環境に触れながら、視覚障害者の書籍利用の特徴を説明します。
続いて視覚障害者の読書環境のデジタル化と一般の電子書籍利用についてデモを交えて現状を紹介し、全盲の視覚障害者の立場で感じている問題について明らかにします。
日時:10月24日(火) 15:00-17:30(14:30受付開始)
料金:JEPAとCITPC会員社:無料、非会員社:3000円
会場:麹町/紀尾井町:株式会社パピレス 4階セミナールーム
主催:日本電子出版協会(JEPA)+文字情報技術促進協議会(CITPC)
協力:Advanced Publishing Laboratory(APL)
参加:116名