Vol.15


JEPAキーパーソンズ・メッセージ!

(株)東芝 マルチメディア事業推進室 ソフト担当 グループ長
JEPA理事・デジタル情報ビジネス研究委員会
恒川 尚

「ところでDVDってDVDビデオのことですよね」

最近次のような三つの会話をよくする。 その 1.DVDは売れてますか。 今のところ国内では30万台を越えたところ、アメリカではもう少し売れてま すよ。 その2.DVDは面白いですか。 うん、なかなか面白いですよ。これまでのメディアにない特長があって面白さ がありますから。 その3.DVDを作るのは難しいのでしょう。 凝らなければ易しいのだけれど、確かにいろいろ制約があって、難しいかもし れないですね。 そして、いずれの会話もその次の言葉が、冒頭の「ところでDVDってDVD ビデオのことですよね」となる。 DVDには、ビデオとROMという二種類の出版メディアがある。(音楽用D VDは別として)このところ、Windows98の登場を背景にパソコンの 上で動くDVDーROMが注目されビデオよりはROMという風潮を見受ける。 しかし、そんなに安易にDVDーROMが優位と断じてよいのか。というのが、 本日のメッセージである。CD−ROMが、売れなくなった訳を考えてみて欲 しい。 ご存じのようにCD−ROMを作るのには、本を作る以上に手間がかかる。し かし、残念ながら本のように多数は売れなかった。一方、CD−ROMは誰に も作れるようになった。そのために販売計画のあまい作品が多数でまわった。 どう考えても文庫本や、週刊誌よりも内容が乏しいにもかかわらず数倍以上の 価格をつけて売られてきた。一時は、パソコンユーザが増え、もの珍しさから 買う客に支えられて、順調な市場のように見えた時期もあった。しかし、イン ターネットという素晴らしい対抗馬があらわれたために、CD−ROM市場は、 冷え冷えとしている。元気があるのは、本と同じように内容が豊富で、莫大な 制作費をかけているが,たくさん売れるが故に安価なリファレンスもののみに なろうとしている。  そこで、DVD待望論であるが、冷静に考えてみて、CD−ROMで失敗し たものがDVD−ROMでうまくいくとは思いにくい。少なくともDVD−R OMでできることはすべてCD−ROMでもできる。容量は確かに二層ディス クを使えば、十数倍以上になるが、製作コストも単純には十数倍かかる。制作 期間も延びてリスクはより大きくなる。音や映像の出る夢のメディアとして登 場したCD−ROMの弱点は画質であった。しかし、ユーザが本当に期待して いたのは紙から音や映像が出ることであって,パソコンのディスプレイからで はないように感じる。現行技術ではCD−ROMは紙メディアを越えることが 出来ないが故にユーザが離れていったのではないか。とすれば,DVD−RO Mはそれを解決した物とは思えない。であるか。どうも、DVDーROMは記 憶メディアとして使うのが一番。確かに数枚組みのCD−ROMで検索型のソ フトだとDVD−ROMは有効ですがね。  しかし、DVDービデオは違う。DVD−ビデオはビデオテープの進化した 物である。第1の特長は,扱い易さである。小さい、軽い、劣化しない。第2 にランダムアクセス,第3が高品質な映像と音である。しかし、最大の特徴は ビデオテープの特長を包含していることである。さらに製造コストが安い。製 作コストも、ビデオの製作費に比べれば、ほんの少しの追加で、ビデオテープ ではできなかった新しい世界が広げられる。しかもユーザにはビデオテープよ りも安い価格で届けられる。  紙とCD−ROM,ビデオテープとDVD−ビデオを対比させたとき,録画 できないという決定的な相違があるものの,出版メディアとして見たとき,そ の優劣は日を見るよりも明らかであると思うのですが,JEPAの読者諸兄は どのようにお考えになりますか。 BACK

ワンポイント調査報告

【日 本】

書籍・雑誌推定販売金額 98年8月 前年同月比0.1%減 5ケ月連続前年同月比減

書籍は、2.3%減と昨年8月以来13ケ月前年割れをを続けているのに対し、雑誌は 1.0%増と5ケ月ぶりに前年を上回った。累計(1〜8月)では、書籍が前年同期 比6.3%減、雑誌が同0.2%減、合計で同2.8%減と厳しい状況が続いている。雑誌 の当月販売額は、月刊誌が1.7%増、週刊誌は0.8%減。返品は、書籍が0.1ポイン ト増の48.2%とほぼ前年並み、雑誌は0.4ポイント減の31.8%。書籍は返品増がよ うやく止まり、改善効果が表れてきた。雑誌は5ケ月連続で前年を下回っているが、 週刊誌が増加傾向にあるなど、安定したとは言い切れない。尚、8月期の書籍の返 品率が普通の月より10ポイント近くも高いのは、売れ行きが悪かったためではない。 輸送業者のお盆休みのため、書店に対する送品が4日間中断されること(これによ り月間送品量が約18%減少し、返品率を8.6ポイント押し上げる)と、全量返品が 建前の常備寄託品の更新に伴う返品が、8月期に集中するためである。

再販制度の弾力的運用 積極的な取り組み進む 「出版社謝恩価格本フェア」実施

出版業界における再販制度の弾力的運用の試みが、出版社、取次、書店の各段階 で行われている。特に再販制度弾力運用への読者の希望に応え、既刊本の需要の 掘り起こしを図るために、今週の読書週間(10月27日〜11月9日)に向けて「出 版社謝恩価格本フェア」を、全国の書店で開催する企画が各出版社で準備されて いる。同フェアは、特定の本を対象に期間限定=自由価格として、再販価格をは ずし、各取り扱い書店の判断で販売価格を決定するものである。対象となる本は、 現在流通している本からも選ばれ、自由価格体である旨の表示がされる予定であ る。フェアにおいて、読者は通常価格の20%引き相当で購入できるものと思われ る。現在この企画を予定している出版社は、講談社、小学館、集英社、光文社、 河出書房新社、角川書店、学習研究社である。 (期間限定=自由価格本は、一定の期間終了後は、定価で販売される)。このほ か各出版社においては、雑誌の時限再販、年間予約購読割引制度、バックナンバ ーサービス、一定期間経過した書籍の時限再販などがすでに実施されているか、 今後実施が予定されている。 ○トーハン  出荷する自由価格本は300品目、前回キャンペーンの1.7倍 トーハンが今回のキャンペーンで出荷する自由価格本は300品目と、今年1月に開 催した前回キャンペーンの1.7倍。10月下旬から11月上旬にかけての読書週間に、 取引先書店が販促活動を展開できるよう、10月上旬には出荷する。トーハンの自 由価格本の販促キャンペーンは95年以来、今回で5回目。これまでは、ほぼ年1 回の開催ペースだったが、今回のキャンペーンで売れ行きが良ければ、年4回ほ どまで開催回数を増やすことも検討する。年4回は異なるジャンルの書籍をいく つか組み合わせたセット販売が中心だったが、今回は自由価格本を初めて取り扱 う書店でもキャンペーンに参加しやすいよう、単品受注方式に切り替える。 ○日販  出品書籍は500品目程度を確保する考え キャンペーン実施は3年ぶり 日販も10月下旬までに取引先各書店に送品できるよう、自由価格本の販促キャン ペーンを実施する。出品書籍は現在、仕入れ先出版社と交渉中だが、500品目程度 を確保する考え。日販のキャンペーンは95年以来になる。今春の公取委の要請で、 自由価格本販促の機運が業界全体で高まってきたため、3年ぶりの実施を決めた。 (以上、(社)全国出版協会・出版科学研究所発行 出版月報1998年9月号)

書店経営実態指標 資本の回転率・自己資本比率が低下、客単価 1,000円を切る

平成十年販「書店経営の実態」(トーハン)、同「書店経営指標」(日本出版販 売)によると、各項目で共通の傾向を示しているが、主なものでは、営業利益率 が落ち込み、欠損に転落したこと、専業書店の収益が圧迫され、複合書店の利益 率がよくなっていること、資本の回転率、自己資本比率の低下傾向など問題が多 い。また、客単価が6年ぶりに4桁を割り、996円と3桁に落ち込んだ。これは売 上げ減少につながる大きな要因である。  (新文化 98.10.8)

トーハン 専門書4万 5,000点をネットを利用し通販 10月15日から

消費者は会員として登録すれば、同社のホームページを通じて発注し、希望の書 店で代金と引き換えに受け取ることができる。利用者が限られているため書店が 在庫として持ちにくい専門書を幅広く扱うことで、書店経営を支援する狙い。将 来は一般書籍や文庫本も取り入れて、120万点に増やす計画だ。同社が総合専門書 センターに在庫として保有する法律、経済、人文、社会科学、理工などすべての 専門書を検索できるようにした。販売窓口の書店は、全国約770店を組織。会員に 注文の際に希望の書店を指定してもらう。トーハンが注文を受けてから3〜4日 後には指定された書店に本を届ける。書店にとっては通常の書籍と同じように仕 入れて販売する格好となる。同社は96年にホームページ「本の探検隊」を開設、 新刊を中心に専門書3,000点を実験的にインターネット通販で販売してきた。これ を踏まえて会員制で本格展開する。会員は会費無料で、インターネットを通じて 登録を受け付ける。会員向けサービスとして、あらかじめ希望のジャンルなどを 登録しておけば、自動的に新刊データを検索し、読者向けの新刊案内を作って電 子メールで送る「新刊パトロール」サービスも始める。 (98.10.12 日本経済新聞)

地上波デジタル放送 BSと同じ方式採用 郵政省が暫定案

郵政省は、2000年以降順次始まる地上波デジタル放送の放送方式の暫定案を、同 時期に始まるBS(放送衛星)デジタル放送と原則同じにすると発表した。次世代 デジタル放送の放送方式をBS、地上波ともに同じにすることで、家電メーカーの 機器開発やデジタル放送の普及を促す。また移動体向けの放送サービスを可能に した。郵政省の諮問機関である電気通信技術審議会が暫定方式をまとめた。放送 事業者は今のアナログ放送と同じ帯域幅である6メガヘルツを使い、HDTV(高品 位テレビ)1チャンネルか、HDTV放送をしない場合はSDTV(標準品位テレビ)3 チャンネルの放送ができる。 郵政省や放送事業者は10月から実証実験をし、99年春をめどに最終的な放送方式 を決める予定。 (98.9.29 日本経済新聞)

W3Cが「DOM Level 1」を勧告、ダイナミックHTMLに互換性を

W3C(World Wide Web Consortium)は、「DOM(Document Object Model) Level 1」をW3C勧告として公開した。DOMは、ECMAScript(JavaScript)やJava などからHTMLやXMLを操作する際に利用するAPIの仕様。現状では、文書中にスク リプト言語を埋め込み、動きのある、あるいはユーザーの操作により内容が変化 するインタラクティブなWebページ(ダイナミックHTML)を制作したとしても、 それがNetscape Navigator上とInternet Explorer上で同じ動作をする保証はない。 こうした部分に互換性を持たせようというのが、今回勧告されたDOMの狙い。 Netscape Communications社とMicrosoft社がDOMを実装してくれれば、様々な魅力 的なWebページが続々と登場することになるだろう。  World Wide Web Consortium (98.10.6 Internet Watch)

画像データ規格統一へ デジカメユーザーに朗報 国際標準目指し協議

日本電子工業振興協会(JEIDA)は、デジタルカメラの画像データ記録・再生規格 の統一に向けて協議を開始したと発表した。同規格については二陣営が業界標準 を目指して競っていたが、双方の長所を生かして年内に一本化する方針。機種が 異なるデジカメ同士の画像データ交換が容易になり、市場の一層の拡大に弾みが つきそうだ。デジカメの画像記録・再生方式は富士写真フィルムなどが推す 「Exif」と、キャノンなどが推す「CIFF」が業界を二分する形になっている。規 格統一では、画像ファイルの収納構造やデータ再生の取り決めについて両方式の 優れた点を採用する。デジカメ・メーカー26社が参加するJEIDAの技術専門委員会 で細目を詰め、新規格は国際標準化機構(ISO)に提案し、国際標準規格を目指す 考えだ。規格が統一されれば、デジカメやプリンターの機種に関係なく、画像デ ータの出力が可能となり、デジカメの普及が進ことむことが予想される。  (98.9.30 日本経済新聞)

パソコン販売 98年8月 「98」効果で個人上向く 法人向けは依然低迷

家電量販店の業界団体、日本電気大型店協会(NEBA )の8月の販売実績による と、パソコン本体の販売台数は前年同月比40.2%増、金額ベースでも29.9%と大 幅に伸びた。 「Windows98」日本語版が、一般消費者の購入、買い替えを促し、アップルコン ピュータが新型の家庭用パソコン「iMac」を発売したことも市場を活性化した。 ただ、パソコン需要全体の約6〜7割を占める企業向けは依然低迷しており、本 格的な業績回復につながるかどうかはなお不透明だ。NEBに加盟していないコジマ やヤマダ電機などの売上げも好調。9月に入ってもパソコン販売の勢いは衰えて おらず。有力量販店のパソコン販売額は下旬まで前年同期に比べ4割近く増えて いるという。日本電子工業振興協会によると、パソコンの出荷台数は昨年7〜9 月以来、前年同期比マイナスが続いてきたが、今年7〜9月期は「マイナス幅が 縮小する可能性がある」。ただ先行きについては慎重な見方を変えていない。  (98.9.26 日本経済新聞)

インターネット接続会社急増 98年7月末 3,000社の大台超す

郵政省によると、同省に届け出した事業者数の累計は7月末時点で前月末より83 社増え3,012社と、初めて3,000社を突破、1年前の1.5倍になった。95年7月には わずか58社だったが、96年7月に1,000社、97年7月には2,000社をそれぞれ突破、 ほぼ1年で1,000社増加している。新規参入の背景にあるのはインターネット利用 者の増加。3,000社を超えたプロバイダーの97.5%を占めるのが「一般第二種電気 通信事業者」。自社で回線を持っていないが、コンピュータと通信機器を用意、 大手業者の専用線と接続することで、インターネットが自由に利用できるように している業者。郵政省への届け出の際も、資本金や事業計画などの面で制約を受 けないため、事実上参入が自由化されている。接続業者の急増はこうした理由か らだが、その結果業者間の競争も激化。「中小業者の大半は赤字」とも言われて おり、今後、淘汰が一層進む公算が大きい。 (98.9.22 日本経済新聞)

CATV 98年3月末 加入670万世帯を突破 番組多様化、営業努力が効く

加入世帯は二期連続で30%を超える高い増加率となり、世帯普及率も前年同期比 3.6ポイント増の14.8%となった。郵政省は通信衛星(CS)デジタル放送の本格的 な立ち上がりで、CATVの番組が多様化したことや、各局が既存の地域内で加入世 帯の掘り起こしに重点を置いたことなどが加入世帯数の高い伸び率につながった と見ている。3月末時点の加入世帯数は、前年同期比171万9,000世帯増えて、 671万9,000世帯となった。一方、CATV事業者の合計売上高は前の期に比べて16.6 %増えて1,644億円となった。単年度黒字化したCATV事業者は、前の期に比べて 5事業者増えて139事業者となった。今年度の見通しについて、郵政省は「高速通 信が可能なインターネット接続サービスを導入するCATV局が相次いでいることな どから、引き続き高い伸びが予想される」(放送行政局)としている。 (98.9.23 日本経済新聞)

ビデオソフト(ディスク含む)販売 98年上半期 減少

カセットはヒット映画のビデオ化などで売上本数が微増したが、単価が下がった ため全体の売上高は減少した。またDVDは着実に売上げ枚数を増やしているが伸び 率は鈍化している。カセットの上半期売上金額は883億7,600万円(前年同期比1.2 %減)。数量ベースでは1,992万9,076本(同1.7%増)と伸びているが、単価が低 下してきたことが影響している。レンタル向けと比べて、販売用の売上高が伸び ており、金額ベースでは市場の44%を占めるまでになった。ジャンル別では「も ののけ姫」や「ポケットモンスター」などのヒットにより、アニメーションビデ オの販売が128億,5300万円(同74.4%増)と大きく伸びた。DVDソフトの売上金額 は24億1,400万円(同211.5%増)で、上半期ベースで比較した場合、96年の調査 開始以来、最高の金額になった。数量も72万2,629枚(同174.0%増)と大きく伸 びた。ただ、ハード普及が伸び悩んでいるため、ソフトの伸び率は鈍化している。 日本映像ソフト協会(JVA)調査 (98.9.17 日本経済新聞)

情報化投資 低迷続く 98年〜99年 「変化なし」「減少」が53%

99年に向けての投資マインドは「変化なし」と「減少」が53.0%と過半を占めた。 98年を100とした投資額の推移も99年をピークに減少に転じる見込みで、西暦 2000年問題解決後の需要確保は深刻な問題になりそうだ。規模別で見ると、2001 年の情報化投資予算が98年を上回っているのは投資額10億円未満の企業だけで、 投資規模が大きくなる企業ほど予算を絞るという傾向が現れた。情報化が横ばい、 もしくは減少に転じる背景には西暦2000年問題の反動とアウトソーシング活用が ある。アウトソーシングについては、7割以上が利用に意欲を示している。利用 形態では93.5%が「部分委託」を希望している。  日経リサーチ 各業種トップ企業400社対象のアンケート調査結果 (98.9.30 日経産業新聞)

ポータルサイト利用調査 検索サイト、プロバイダー、ブラウザーメーカーが横並び

自宅でWWWブラウザーを利用する際、ユーザーが起動時に表示するよう設定してい る“ポータルサイト”は、Yahoo!やgooなどの「検索サイト」が21.7%、「利用 しているプロバイダーのホームページ」が20.1%、「ブラウザーの初期設定のま ま」(マイクロソフトやネットスケープなどブラウザーメーカーのページ)が 19.0%と、上位3ジャンルがほぼ横並びとなっている。これに続き、どこにも設 定しておらず「空白のページ」とした人が13.0%で4位。一方、職場や学校など 自宅以外で利用する場合では、「学校や会社など自分が属する団体のホームペー ジ」が37.5%でトップとなり、「ブラウザーの初期設定のまま」は16.7%、「検 索サイト」は15.7%に減少する。今回の調査では、現在もっとも利用が多く、ポ ータルサイトとしてもコンテンツ強化が図られている検索サイトが、僅差ながら トップに入るという結果となった。一方、「利用歴の浅いユーザーは自ら初期画 面を設定する動作を行なわずにプロバイダーのホームページに設定されている比 率が高い」という結果も出ており、ブラウザーメーカーやプロバイダーのページ には、ユーザーが改めて設定しなくても表示されるというアドバンテージがある。 ポータルサイト競争では、コンテンツだけでなく、プロバイダーやブラウザーメ ーカーとの連携が大きな鍵になることは間違いない。 日経MAアンケートページ調査 7月23日〜8月5日  (98.9.9 Internet Watch)

【全世界】

電子商取引 国際ルール作成本格化 閣僚級会議共同宣言 税制、来年にも指針

電子商取引閣僚級会議は共同宣言を採択した。焦点となっていたネット上でのプ ライバシー保護では、民間の自主性を尊重する米国と政府規制が必要とする欧州 連合(EU)の主張を宣言に併記した。税制問題では、消費税の徴税方法や二重課 税防止策などの指針を専門家グループが来年半ばをめどに作成することを行動計 画に盛り込んだ。これにより、電子商取引を網羅する初の国際ルール作りが本格 化する。 閣僚宣言の柱は、 1 各国は自主規制、政府規制などを問わずプライバシー保護策を実施し2年以 内に検証する。  2 税制では従来の商取引における制度を基本に官民の専門家が来年半ばまでに 指針をまとめる。  3 電子認証技術の向上へ向け国際協力を続ける。  4 99年内に消費者保護指針を作成する。 の4つ。  (98.10.9 日本経済新聞)

インターネット経済規模 2002年までに9,500億ドルへ 現在は2,000億ドル

インターネット経済の定義は、ウェブビジネス及びウェブアプリの開発のための 支出、インターネット経由で販売される製品・サービスの売上高を合計したもの。 一方、成長を阻害する要因として帯域幅とセキュリティーの問題を挙げている。 米IDC予測(98.9.25 日経産業新聞)

オンライン決裁高 98年 153億ドル、2002年 1,000億ドルへ

98年は前年の倍の153億ドル、この先5年間は年間67%の割合で急成長し、2002年 には1,000億ドル規模の市場にまで発展すると予測している。  ビザ・インターナショナル予測 (98.10.12 日経産業新聞)

パソコン、インターネット関連事業の市場規模 各2000年、2010年、2020年予測

○パソコン    2000年 272,678億円、2010年 490,000億円、2020年 565,000億円 ○インターネット通販    2000年 31,020億円、2010年 128,700億円、2020年 247,500億円 ○インターネット接続サービス  2000年 24,000億円、2010年 56,181億円、2020年 117,545億円 ○コンテンツ配信(情報提供)   2000年 16,950億円、2010年 102,000億円、2020年 283,125億円 ○オンライン広告    2000年 2,614億円、2010年 53,625億円、2020年 17,850億円 ○ビデオ・オン・デマンド    2000年 961億円、2010年 15,011億円、2020年 33,060億円 ○デジタルコンテンツ制作    2000年 32,509億円、2010年 135,000億円、2020年 330,000億円 ○地上波デジタル放送    2000年 127,875億円、2010年 145,500億円、2020年 194,250億円 ○衛星デジタル放送    2000年 5,700億円、2010年 34,050億円、2020年 63,300億円 ○電子マネー    2000年 35,842億円、2010年 171,504億円、2020年 295,687億円 ○CATV    2000年 31,800億円、2010年 156,000億円、2020年 246,000億円 (98.10.2 日経産業新聞)

WWWブラウザー市場 98年6月 ネットスケープ過半数割れ

パソコンソフト最大手マイクロソフトは確実にシェアを伸ばしており、計算の仕 方によってはネットスケープを初めて抜いた。1997年12月は、50.5%あったネット スケープのシェアが本年6月で41.5%に低下。2位のマイクロソフトは22.8%から 27.5%にシェアを伸ばした。パソコン通信最大手のアメリカ・オンライン(AOL) のシェアは、16.1%から16.3%に微増した。AOLのブラウザーはマイクロソフトのブ ラウザーと他のソフトと統合したもので、AOLのブラウザーをマイクロソフト製と 考えるとマイクロソフトのシェアは43.8%になり、ネットスケープを抜いたことに なる。ブラウザーはインターネット時代の最重要戦略ソフトとみられており、マ イクロソフトはシェア拡大のため無料配布など積極的なマーケティングを展開。 そうしたビジネス慣行が反トラスト法(独禁法)に違反するとして米司法省など から提訴されている。  IDC調査 (98.9.9 Internet Watch)

情報通信関連支出額 97年 1兆8,000億ドル 前年比5.2%増

これは世界の国内総生産(GDP)総額に約6%に相当する。支出額には機器やソフ トウェア購入、ネットワーク使用に伴う支出や技術者の給与などを含む。97年の 米国の支出額は6,430億ドルで世界全体の35.8%を占め、2位の日本の3170億ドル (同17.6%)の倍以上にのぼった。92年〜97年にかけて、香港などアジア太平洋 地域(日本を除く)における情報通信関連の合計支出額は年平均14.5%の伸びを 見せた。経済危機に見舞われてからも支出額が増える傾向は続いているという。 世界情報技術サービス連盟調査 (98.10.8 日本経済新聞)

【米 国】

Microsoft 電子ブックの標準フォーマットを提案 「Open eBook」

Microsoft社は8日、NIST(National Institute of Standards and Technology) 主催の電子ブック関連のコンファレンスの中で、電子ブック用のコンテンツ・ フォーマット「Open eBook」の標準化を提案した。Open eBookの仕様自体は、現 在Webで一般的に利用されているHTMLやXMLをベースにしており、パソコン上でも 容易に処理できるという特徴がある。また、既に発売されている端末上でも問題 なく表示できるようになっているという。 米国では既にSoftbook Press社、NuvoMedia社などから液晶ディスプレイ付きの手 のひらサイズの端末が数百ドルで発売されており、Microsoftでは、こうした端末 向けにコンテンツを作る際に利用する標準的なフォーマットとしてOpen eBooを位 置づけ、開発を進めているという。開発には、上記の端末メーカーに加え、 BertelsmannやHarperCollinsといった大手出版社なども参加している。 マイクロソフト社  (98.10.11 Internet Watch)

インターネット関連投資 2000年頃には利益のあがる構造に

Microsoft社は、Compaq Computer社やMacromedia社と共同で「HTML+TIME (Timed Interactive Multimedia Extensions)」の仕様をW3C(World Wide WebConsortium) に提出、標準仕様としての勧告を提案したことを明らかにした。 HTML+TIMEは、HTMLにタイムコントロール機能を追加するための拡張規格。SMILと 同じく、テキストや画像の表示に加え、音声や動画の再生のタイミングを制御で きるが、XMLベースのSMILとは違い、従来のHTMLに変更を加えることでそれと同じ 効果が得られるほか、DOMをサポートしているのが特徴。提案ではSMILに取って代 わるものではないとされているが、SMILのサポートに難色を示していたMicrosoft だけに、今回の提案は、SMILの提案者であり、ストリーミング分野においてます ます勢力を拡大しようとしているRealNetworks社への牽制の意味も込められてい る。 マイクロソフト社   (98.10.1 Internet Watch)

Microsoft 「HTML+TIME」を提案、HTMLにタイムコントロール機能を追加

米下院は12日、インターネットなどコンピュータ上で送信される映像や情報、音 楽などの著作権を保護するための法案を可決した。上院も同様の法案を既に可決 している。法案は、暗号などで保護されたコピー防止措置を破った場合の罰則を 規定。同時に防止措置を破るための装置やサービスの製造、流通、輸入も禁じて いる。世界知的所有権機関(WIPO)は96年、コンピュータ通信網上での著作権を 保護するための新たな国際統一基準を設けた。インターネット大国である米国は、 今回可決した法案で、この基準に沿った国内手続きを整備することになる。 (98.10.14 Internet Watch)

オンライン広告 効果基準など標準化 検討組織「FAST」を設置

米広告主協会(ANA)など4つの業界団体はオンライン広告の標準化などを検討す るための委員会を発足した。オンライン広告はテレビや雑誌と並ぶ媒体に成長し つつあるが、問題も少なくない。業界では、広告効果の測定基準をそろえるなど として利用価値を高め、一段と市場を成長させたい考えだ。委員会はFAST(フュ ーチャー・オブ・アドバタイジング・ステイクホルダーの略)と名付けられ、ANA のほか、広告代理店を代表するAAAA、業界調査を手掛けるARF、オンライン広告制 作会社を代表するIABからのメンバーで構成している。米業界誌によると、オンラ イン広告の取扱高は、97年の9億4千万ドルから2000年には43億ドルに成長する 見込み。「業界内の一致により、オンライン広告は将来、より実効的な媒体とし て成功できる」(FASTメンバー)と期待している。 98年オンライン広告の現状(ANA調査 カッコ内は97年の数字) オンライン広告を利用している企業の割合  68% (38%) 企業のオンライン広告費の平均       714,000ドル (250,500ドル) 企業のホームページ数の平均        4.3 (2.5) 企業のオンライン販売実施の割合      47% (26%) 企業のオンライン事業に充てる人数     40人 (14.9人) (98.9.30 日経産業新聞)

ホームオフィスでインターネット利用 97年 1,210万世帯、98年 1,750万世帯へ

インターネットを利用している米国のホームオフィスは、97年の1,210万世帯から 98年には1,750万世帯へと大幅に増加した。この数字は、ホームオフィスが米国の インターネット利用世帯の68%を占めることを示している。ホームオフィスは98年 も引き続き増加し、3,730万世帯となった。「ホームオフィスの成長とPCの利用率 の向上が、インターネット利用の爆発的な拡大の土台となった」。コミュニケー ション、情報収集、電子コマースの必要性から、ホームオフィスでのインターネ ット利用が今後も拡大を続けると予想。 IDC調査レポート「Home Offices on the Internet」   (98.9.17 Internet Watch) BACK

【連載】「キーワード設定の現場から」

- - -第4回「木曽路はみんな違う文字」- - -


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